2016年3月31日木曜日

春です!

 

外房は春です!

数週間前のある朝、ホーホケキョと正統的な鶯の鳴き声、ちょうど梅がきれいな頃でした。梅に鶯というのは本当なのねと思いました。そうこうするうちに、蛙が鳴き始めました。久しぶりの蛙さん、冬眠から覚めて活動開始。

 

春なんだなと思ったら、いきなりいろんな花が咲きます。家の庭では、なぜか白い花が終わった梅の木に赤い花が咲き、こぶしの木につぼみがたくさん付き、黄色いレンギョウ(たぶん)に白い沈丁花、細々と咲き続けているボケ、春だぞ~とわっと咲きました。近所を歩けば、菜の花の黄色、雪柳の白、早咲きの桜かな、濃い桃色に、伸び始めた草の緑。溢れる色彩に誘われるように、人々も動きはじめて、あちこちの田んぼや畑で作業が始まっています。

 

 体中で春を感じに行きましょう、と、国吉の方へ出かけました。里山の風景の中を、のんびりと自転車を走らせます。水ぬるむというけれど、堰やため池の水も温かそう、鳥の声、草や花の匂い、優しい風、おひさまの暖かさ、絶好のサイクリング日和。国吉の郷土資料館へ立ち寄り(残念ながら展示入れ替え中でお休みでしたが、波の伊八作のお神輿を見せていただきました)、国吉神社と出雲大社へ。大銀杏がご神木の国吉神社、木好きの私としては、たまらない、いい感じ。お隣は、あの出雲大社から分祀された由緒正しい神社である千葉の出雲大社。

 

 お昼を食べてから、万木城公園へ。展望台への坂道は急で、さすがの電動自転車も頑張りが必要。

 ここはすごく見晴らしが良い。そして…桜が咲いてる!! 思わず、やったあという気分になりました。途中の三光寺というお寺でも、池のほとりに咲く桜の風情ある姿を見ることができました。なんで桜って咲いてると嬉しいのでしょう。日本人は、DNAのどこかに、桜を愛でる心を埋め込まれているのでしょうか。明るい青空の下で見る桜の美しさ、月明かりに浮かぶ桜の妖しさ。どちらも心惹かれます。

「桜の木の下には屍体が埋まっている。」「桜の森の満開の下の秘密は誰にも今もわかりません。あるいは孤独というものであったのかもしれません。」 名作を紐解いてみたくなりますね。これも桜の持つ魔力でしょうか。


 思いがけず出会えた桜に心乱された後、いすみ環境と文化のさとへ。小さな水路では、子供たちがザリガニを釣ろうと竿を持って歩いている、のどかだなあ。家の子供たちも小学生の頃、善福寺川でよくザリガニ釣りしてたな、なんて思い出しました。古びた木のベンチに座って、里山の景色を眺めていると、時間が止まったよう、思いっきりぼーっとしてきました。春満喫の一日になりました。

 

 さて、実は家にも、桜の木がありました。それが今日咲いているのを発見。白い花、葉っぱも出てるから山桜かな。ソラマメも紫の花をたくさん咲かせています。まだまだ春は続きそうです。(3月31日 佳)

2016年3月10日木曜日

「逃げ遅れる人々」

  


東日本大震災から5年が経ちました。

あの日、私は、東京の中野特別支援学校にいました。当時の仕事は、障害児の放課後支援のNPO で、ちょうど知的障害の高校生の子どもたちを学校に迎えに行っていました。大きな揺れで、その場にいた全員が学校の体育館に避難。そのままそこで4時間ほど待機、保護者の方に連絡がつくまで待ってくださいと言われて、体育館で障害のある子供たちと居ました。携帯もつならがず事務所に連絡も取れず、状況もよくわからない、でも意外と落ち着いていられました。不思議だったのは、子供たちも静かに待っていられたこと。たくさんの障害児がいて、パニックを起こしたり大変なことになるだろうと覚悟しましたが、そんなことは全然ありませんでした。

彼らは状況を理解し、どうしようもないことを感じ取り、じっと待っていたのかもしれません。

あれから、もう5年になるのですね。

 

来週、炎の雫ではドキュメンタリー映画「逃げ遅れる人々」の上映会を行います。3月17日木曜日、19:00スタート。1ドリンク付き1500円。

 

 私がこの映画に出会ったのは、2013年の秋。当時勤めていた児童館の先輩が、映画の上映会と監督のトークを企画し、そこに参加しました。監督は、、映像グループ「ローポジション」の飯田基晴さん 。ローポジションという名前には、低い視点から弱い人たちに寄り添うという思いが込められています。

そういう方なので、「若いときから、障害のある人たちにもいろいろかかわってきた、なのに、震災の時、彼らのことなど思い出しもしなかった。そういえば障害のある人たちはどうしていたのだろうと思ったのは、ずいぶん経ってからでした。」と話されました。

 被災した障害者のためにまず動いたのは、障害を持つ人たち、つまり当事者支援。障害者の視点で、生きるために必要なもの、なくてはならないものをピックアップし、それを持ってすぐに出発したそうです。

 避難所や仮設住宅に入った人、また周りに迷惑をかけるからと避難をあきらめた人、原発事故のために避難区域に取り残された人、行き場を求めてさまよう人、…飯田さんは丁寧に話を聞き、映像に記録しています。

 私は、原発の問題に直面した福島の車いすの女性が、「私たちは何もしてこなかったんだ」とつぶやく場面に胸を打たれたました。あの時何が起きたのか、障害をもつ人たちが何を感じ、何を考えたのか、それがどう続いているのか まずはそれを知ること。そして、考えること。それが必要だと思います。

 

 東北の復興は全然進んでいない、と2年半前に飯田さんは言っていましたが、5年経った今も、全然進んでいないと聞きます。仮設住宅の期限はあっても、行く先ができていないから、延長せざるを得ないというところもあります。新築の家を建てる人がいる一方で、どうしようもなく、何も変わらない人がいる、場所によって、人によって大きな差ができているとも聞きます。被災地から離れていると、すでに過去のことのように思ってしまうこともあるけれど、そうではないのだと思い出さねばなりません。原発の問題ですら、ニュースにあまり登場しなくなっている現実。何も解決していないのに、忘れてしまってはいけないのに、忘れられようとしていること、それを考えなくてはと思います。

 

 今まで、炎の雫では、この映画を2回上映しています。

 

2014年の5月には、「カンタ! ティモール」と「逃げ遅れる人々」の連続上映をしました。その時、ブログに書いたのが以下の文章です。

この3日間に考えたのは、人が生きていくことの重さ・命の大切さ。それを感じ、考えるきっかけになるというだけで、この上映会の意味があったと思っています。映画を見てくださった方が、それぞれの生活の中で、思い出したり、考えたりしてくれればいいなあ、それがこの先、何かにつながっていくのでなないかと思います。もちろん私たちも考え、行動し続けていきたいと思います。”

 

 さて、あれから自分達は何を考え、何をしてきたのか、反省と自戒を込めて、改めてこの映画に向き合おうと思います。どうぞ、あなたも考えてみてください。多くの方の参加を、お待ちしています。 

 

(3月10日 佳)


新生・炎の雫

「炎の雫」新しくなりました。 東ティモールコーヒーから自家焙煎コーヒーへ。コーヒーの銘柄を増やして、カフェでも飲めるし、豆の販売でもご購入いただけるようになりました。 ラインナップに加わったのは、タンザニア・コロンビア・メキシコ・グァテマラ・エチオピアシダモの5種類。 また、焙煎...