2022年11月30日水曜日

コーヒーちょこっと話

コーヒーを飲むとき、何かちょっと甘いもの食べたくなりませんか?スイーツとコーヒーでちょっと一息、癒されますよね。

コーヒーには何をどう合わせたらいいのか、ちょっと調べてみました。

選び方の基本は、コーヒーの特徴とお菓子を合わせること。浅めの軽いコーヒーには、豆本来の風味や酸味が楽しめるように、爽やかなスイーツを。レモンパイやチーズケーキ、フルーツとの相性も良いとのことなので、アップルパイなどもおすすめ。コクと苦みのある深めのコーヒーには、チョコレート系のお菓子やエクレアやシュークリームなど、キャラメル、アイスクリームも深煎りのコーヒーによく合います。というのが一般的な合わせ方。

逆に、対照的な味わいのものを合わせるという方法もありますが、コーヒーの場合は軽いコーヒーに濃厚な甘みのケーキだとコーヒーが負けちゃうし、深いコーヒーに酸っぱい系のお菓子は合わない。先ほどチーズケーキは浅めのコーヒーに合うと書いたけど、チーズケーキでも濃厚なもの、バスクチーズケーキやレアチーズなどは深煎りのコーヒーでという方も多数いるようです。また、和菓子は意外とコーヒーとの相性がよくて、浅めのコーヒーにはフルーツ大福とかみたらし団子が合うとか、深めのコーヒーには羊羹やどら焼き、おはぎなども合うと言います。うちの夫は大福にコーヒーを合わせるのが好きです。

ところが、ちょっと角度を変えてみると、全然変わってきます。食べ合わせでどういう影響が出るかという観点から見てみましょう。コーヒーの主成分は、カフェインとクロロゲン酸(ポリフェノール)、カフェインには覚醒・興奮作用があって、自律神経の働きで集中力を高める効果があり、ポリフェノールには抗酸化作用があって、心臓病・糖尿病などの予防効果や血圧降下作用があります。その観点からだと、食べ合わせの良いものは一番に来るのはバナナ。バナナに含まれるカリウムとコーヒーのカフェインによって血圧が安定し、生活習慣病予防につながる。次にナッツ、アルギニン酸が含まれていて、コーヒーのクロロゲン酸との相乗効果で脂肪燃焼効果が期待できる、つまりダイエットになるらしい。魚や豆類にも同様の効果が期待できるそうです。

食べ合わせの悪いもの。なんとチョコレートです。チョコレートの主原料カカオにはカフェインが含まれていて、カフェインの摂り過ぎにつながる危険があります。カフェインの摂取目安はWHO のガイドラインでは1日300mg、アメリカやカナダやヨーロッパでは400㎎とされています。これはマグカップで3杯分にあたります。チョコレートに含まれるカフェインが上乗せされちゃうとすると、一日に2杯?もっと飲む人はいっぱいいますよね。カフェインの過剰摂取で、頭痛や睡眠障害、脱水症状、嘔吐なども起こる可能性があるとか、気をつけましょう。また、カフェインには、糖質がエネルギーになる前に中性脂肪に変える働きがあるそうです。次にゆで卵。コーヒーのカフェインとゆで卵の硫黄が結びついて鉄分の吸収を阻害する相互作用が働くそうです。卵サンドとコーヒー、よくないんですね。魚系のツナサンドにする方が食べ合わせ的にはいいみたい、でも卵サンドの方がすきだなあ。他にも鉄分の多い食品ヒジキやプルーンなども要注意だそう

さて、もう一つ。カレーの話。
カレーを食べた後、コーヒーを飲みたくなりませんか?うちの夫は、カレーを食べると、スプーンを置いてすぐにコーヒーを淹れに席を立ちます。いつもそう、なら最初にコーヒーを淹れといてから食べ始めればいいんじゃない?と思いますが、そうはしない。必ず食べ終わってから淹れるのがルーティンになっています。なんで??

カレーとコーヒーの相性についても調べてみました。ですが、こちらはよくわからなかったというのが結論。カレーの後で口の中をさっぱりさせたいということでコーヒーを飲みたくなるという説もあるけど、辛い物の後に熱いコーヒーを飲むと刺激になってさらに辛みを増してしまうから、さっぱりはしない。インド料理屋さんなどでは定番はラッシーやぬるめのハーブティー。それなら辛い口の中を変えてくれそう。でも熱いコーヒーなんだよね。……。
カレーとコーヒー、食べ合わせはいいらしい。カレーの中のスパイス、ショウガやトウガラシには血行促進・消化促進、覚醒の作用がある。コーヒーのポリフェノールには抗酸化作用があり、合わせて摂ると相乗効果で働きが高まる上、コーヒーの香りでアロマ効果がプラスされる。そして辛みが高まるという。なるほどね。
でもこれは、食事中にコーヒーを飲んだ場合。食後にコーヒーが欲しくなるのはなぜでしょう。ここからは私の推測。うちの夫の場合、カレーを食べた後のヒリヒリ感が残っているうちにコーヒーを飲みたいと言います。それは追体験というか、カレーを食べたんだぞーというダメ押しの実感を持ちたいからではないでしょうか。みんな、カレーをたべた後コーヒーを飲むことで、美味しさをもう一度体感したい、相乗効果で辛さが増すから、尚今日のカレーはおいしかった!と思える。カレーの美味しさとコーヒーの美味しさと、どっちも増しちゃって鮮烈な印象が残るということ。うちの夫が、コーヒーを前もって淹れておかないのは、ヒリヒリ感を感じつつ、もっとヒリヒリさせてやれとコーヒーを淹れる時間が期待値を高めてくれるからじゃないかと思います。

そもそも、日本にコーヒーが入ってきたのは、1640年代の江戸時代初期。鎖国中で、出島に伝わり、ごく限られた人のみで一般には普及しなかったようです。明治維新で開国後、コーヒー豆の輸入が開始されました。1888年、日本初の喫茶店「可否茶館」が上野にオープン。明治の終わりになると文化人や芸術家を中心にコーヒー文化が根付き始めます。日本橋の「メイゾン鴻ノ巣」というフランス料理店で定期的に会合を持っていた「パンの会」、メンバーには北原白秋、石川啄木、高村幸太郎などがいて、彼らがその先駆けとなりました。ここでは本格的なフランス式深煎りコーヒーを出していたそうです。しかし、第二次世界大戦で途絶えてしまいました。戦後、コーヒーが流通するようになるにはしばらく時間がかかり、1950年(昭和25年)に輸入が再開されて徐々に回復、喫茶店も広がっていく。1969年に上島珈琲が開発した缶コーヒーが、翌年の大阪万博をきっかけに爆発的に売れたことで、コーヒーは一気に一般庶民に普及、その後いろんなタイプのコーヒーが出回るようになり、今に至っています。

うちにあるコーヒーカップはほとんど陶器でバラバラに集めたものですが、これは唯一のブランド品、ノリタケです。中身は東ティモールのシティロースト(中煎り)です。最近の私のお気に入り、苦くなくてスイーツにも合わせやすい。冒頭の写真は、おからのチョコレートケーキと東ティモールのフレンチロースト(深煎り)、チョコ系にはやっぱりしっかりしたコーヒーが合います。TPOで楽しみましょう。 (2022年11月30日佳)





 

新生・炎の雫

「炎の雫」新しくなりました。 東ティモールコーヒーから自家焙煎コーヒーへ。コーヒーの銘柄を増やして、カフェでも飲めるし、豆の販売でもご購入いただけるようになりました。 ラインナップに加わったのは、タンザニア・コロンビア・メキシコ・グァテマラ・エチオピアシダモの5種類。 また、焙煎...