2022年8月28日日曜日

市原湖畔美術館・ミロコマチコ展

7月の終わりに、店内の温度が35℃を超えたので、8月はカフェは夏休みにしました。

8月の中旬、市原湖畔美術館にいってきたので、千葉の観光案内を兼ねて、そのことを書きます。湖畔美術館に行くのは2回目、とても素敵なところです。ちょっと行きにくいけどね。


湖畔美術館は、小湊鉄道の高滝駅からのんびり歩いて徒歩30分ほど。ですが、小湊鉄道の本数が少なくて、うちから行くには、選択肢はほぼ一つ、7:29の外房線で蘇我で乗り換えて内房線の五井経由で高滝9:34着。他は乗り継ぎが悪くて全然だめです。この場合、房総横断切符を使っていくとお得。横断切符は一方向にしか進めないので、帰りは上総中野でいすみ鉄道に乗り換えて大原で外房線になります。

駅からしばらく歩くと高滝湖、向こう側に美術館、揚水機と水上彫刻が見えます。美術館の入り口は、大きな橋を渡って、もう一つ小さな橋を渡って、回り込んでいったところ。
1995年に建てられた展示施設の骨格を生かして、2013年にリニューアルオープン。現代アートを中心とした展覧会やワークショップを行っています。


今、開催中なのは
「ミロコマチコ・いきものたちはわたしのかがみ」
これが見たくて行きました。
ミロコマチコさんは絵本作家。2012年「オオカミがとぶひ」でデビュー、日本絵本大賞を受賞。
彼女の描く生き物や植物はエネルギーに満ち溢れています。近年奄美大島に移住。



展示室に入ってすぐ、1番の作品。
「緑と猫」
このコーナーは生き物たちの絵が並んでいます。
ところどころに、彼女の言葉が書かれたプレートがあります。
それがまた、味わい深い。例えば…。

こんな感じです。
自然の中で、そこに存在する何かを捉えようと、目を閉じ耳を澄ます。そこから生まれる作品。奄美大島に移住してから、彼女の絵には、霊性が加わったと言われています。

隣のプレートには「描いているとき、とても勇気があり、静かに心が高鳴っている。その時を共に過ごしたモノたちにも、そんな気持ちが宿っている気がする。」との言葉が。
よくわかる気がします。

2016年の山形ビエンナーレに出品された作品。
これは「あっちの耳、こっちの目(カモシカのおはなし)」で、大きなシカ(1.5mくらいあるかな)が両開きになる紙芝居小屋みたいな車を引いています。実は入り口にもう一つ、クマのバージョンがあります。どちらも、内側にも外側にもびっしり絵が描いてあって、圧巻です。


次の展示室は装画やアートディレクションの部屋。たくさんの動物たち。面白いのだらけ。伊勢丹のクリスマス用の紙袋。本の装丁になった絵、糸井重里とか重松清とか群ようことか、結構有名な人の本もあります。私の親しい友人が、大好きな本「猫は、うれしかったことしか覚えていない」の絵がミロコマチコだと言ってました。NHK のEテレの子供番組でも結構使われているとか。

ここは絵本原画の部屋。
「けもののにおいがしてきたぞ」「まっくらやみのまっくろ」「ドクルジン」3冊の絵本の原画が展示されています。
真ん中のテーブルには絵本が置いてある。見比べると、面白いことに気が付きました。なぜか原画より絵本の方が迫力がある、なんででしょう?たぶん周りに白い枠がないことで、どこまでも広がっていく感じになってるのかな。

地下の展示室は2020年以降の作品が並びます。さらにパワーアップしてますね。
両側に不思議なものがぶら下げてあり、その真ん中の通路を大きなシカの顔の絵に向かって歩いていくという立体作品もあって、そこを歩くのはなかなか刺激的な体験でした。
彼女の奄美での日常の画像も流してました。奄美、いいところだなあ。

ちょっと疲れてきたのでおひるごはんにしましょう。
美術館の敷地内に「BOSSO」というお店があります。メインはピザ。おいしいです。これは房総農家のピザ。アラカルトもあるので、ピザと、旭ポークで作られたソーセージの食べ比べセットと薪焼き野菜をオーダー。サービスで瓶に入ったピクルスをドーンと置いてくれました。

美術館に戻って、もう一度みたいなという作品を見たりしてまた一回り。それから常設展の部屋へ。今開催中なのは深沢幸雄さんのガラス絵展。
深沢さんは銅版画家。奥様の実家のある市原鶴舞に住み製作を続けました。平成29年に92歳で亡くなっています。前回来たときは、版画中心の展示でしたが、今回はガラス絵が中心。版画もいいなと思ったのですが、ガラス絵もとっても面白い。ミロコマチコ展に呼応させているのか、なんとなく生き物の作品が多いような。「元気な不死鳥」という作品が気に入りました。企画展は写真OKだけど、常設展はNGなのでポスターだけ。

常設の立体作品。これはロビーにあります。
「Heigh―Ho」という作品。KOSUGE1-16作。肺胞を逆さにしたような形、モヤモヤとすっきりを交換するそうです。
屋上には700本のチューブが生えていて、風に揺れています。
屋外の草むらの中には、ブリキ(?)でできた人形や動物が顔をのぞかせています。

館内のあちこちに、さりげなく動物たちがいます。
これは地下のフロアから1階に上がる階段の途中。
えーこんなとこにいる!
エレベーターのボタンの横には猫がいたし、どこに何がいるか、探してみるのも楽しいでしょうね。



展望塔でもある揚水機から湖へ延びるデッキから、水上彫刻を眺めるのもめっちゃ気持ちいい。
これは「かげろう」という作品。他にも「湖の祭り」「生命の星(やませみ)」重村三雄の作品キーワードは、生命の循環だそう。
デッキの上のベンチで、ぼーっとして風に吹かれていると、時間を忘れてしまいます。


ミュージアムショップで、しっかり絵本2冊買ってきました。絵本の原画の部屋で見たものです。
ほかに、湖畔美術館オリジナルのクリアファイルも。湖畔美術館のシンボルカラーはグレー。デザインはボーダー。すごっくシックです。夫が気に入っちゃって、これいいな、買おうって。珍しいことです。

帰りは一方通行のルールに則って、高滝駅から小湊鉄道で上総中野へ。ここはいすみ鉄道との乗り継ぎ駅。左側にいるのが小湊鉄道、右側の黄色いのがいすみ鉄道。ここで両方いる写真が撮れるのは、乗り継ぎがいいということ。これも一日に数回しかないラッキーな場面。平気で何十分も待たされるみたいですから。15:16に高滝を出て、大原着が17:18、太東に17:38に着けました。房総半島横断の旅でした。

ミロコマチコ展、とても面白かった!!
いっぱい好きなのあったけど、あえて選んでみました。

「蘇鉄の子」と
「ドラゴンフルーツの花の子」

よくわからないけど、なんか好きです。

(2022年8月28日 佳)

最後に、もう一つの8月のイベント。
8月10日に高円寺・稲生座で水野たかしワンマンライブやりました。約3年ぶりでした。
稲生座とは1978年の開店以来のお付き合い、東京にいたときは毎月歌わせてもらっていました。逝ってしまった人たちへの追悼の歌、新曲や懐かしい曲取り混ぜて、後半は水野たかしカンパニーのメンバーでもある稲生座のエミちゃん、ギターのオバタ君も加わってくれて、いいライブになったことをご報告しておきます。

















































 









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