2022年1月29日土曜日

笠森観音と東浪見寺

 

2022年、最初のブログです。今回は、1月に訪ねた外房の名刹について書きたいと思います。

今年の初詣は、長生郡長南町にある笠森寺(笠森観音)に行きました。天台宗別格大本山。坂東三十三観音霊場の第三十一番札所。千葉のパワースポットとも言われています。

ご利益抜群と言われている黒招き猫も、さらに運気を上げるという座布団と一緒に連れて帰ってきました。

笠森観音、行きたいとは思っていたのですが、駅からは遠いし、バスはほとんどないし、行けずにいました。それが、お正月1~10日と1月中の土日は茂原から無料送迎バスがあると知って、これだ!と思って出かけることにしました。

お正月、三が日を過ぎたとはいえ、ご参拝の人たちがたくさんいらっしゃいます。

下の駐車場から、木々の緑の中を続く石段を、ゆっくり上っていきます。とてもいい気持ち。三本杉、子授楠と子授観音、(楠の木の幹の間を通り抜けたら子宝に恵まれるという)、芭蕉の句碑などがあり、山門をくぐると観音堂が建っています。

観音堂は日本唯一の四方懸造(しほうかけづくり)、国指定重要文化財です。崖の上ではなく、岩山の上に立てられていて、中央で岩山と接し、周囲すべてが長い柱に支えられています。
1028年の建立と伝えられ、その後焼失し、現在の観音堂は、安土桃山時代の再建と言われています。

本堂へは、75段の急な階段を上ります。結構恐い。
たどり着いた回廊からは素晴らしい眺めです。
そして本堂には、素敵な仏様が2体。ご本尊は秘仏なので御簾の中、この観音様は御前立ち観音というらしい。お寺の方に聞くと、鎌倉時代のものではないかとのこと。ご本尊ならずとも充分、堪能させていただきました。


鐘つき堂。
自由に鐘がつけます。これがまた、いい音。
ご~~~~~ん。余韻がすごい。
こんないい音の鐘は初めて。


境内のくろねこカフェで一服。
お汁粉とわらび餅をいただきました。

お店を覗いて、冒頭の黒招き猫などお買い物して。
さて、下に降りようと思ったら…。


裏側から降りる道がありました。これ行ってみよう、って歩いて行ったら、表の道よりずーと山道、というか歩きにくいというか、自然の中。こっちの方がいいよねと歩いていくと、駐車場の裏側に出ました。そこに「展望台→」という看板がある。展望台まで行ってみようかとなりましたが、これが結構大変、山歩きって感じ。途中で向こうからきた人に聞いてみると、まだ結構先だよと言われて、えーって思いながら歩きました。しばらく行くと、物見櫓みたいな展望台がありました。鉄の階段は吹きっさらし。この日はかなり風が強くて、上ったけど風に飛ばされそうで怖くて、すぐ下りました。一帯は、笠森寺自然林として保護されているそうです。観音堂だけじゃなく、こっちも楽しめそう、暖かくなったらまた来たいな。
帰りも無料バスで茂原へ。茂原で食事して帰りました。

もう一つ、外房の名刹。
1月28日、長生郡一宮町東浪見にある、軍荼利山東浪見寺へ行きました。このお寺も天台宗。この日は、年に1度の例祭の日、ご本尊の軍荼利明王が公開されます。

それを知ってはいたのですが、1月28日に来られないまま、何年か経ってしまいました。今年はコロナのおかげでカフェはお休みしているので、軍荼利さんに行こうとなりました。果たしてこんな時にやってるかな、と心配しながら自転車に乗って。
入口のところに、テキやさんが出てる!たこ焼きと飴屋さんともう1軒。3軒だけだけど、やっぱりお祭りなんだね。

入口の階段周り、梅が咲いていてきれいです。ここの階段、結構きつい。200段あるとか。頑張ろう!
上りだすと下りてくる何人かの人と出会いました。
東浪見寺は、聖徳太子が鎮護国家のために軍荼利明王の像を彫って安置したことに始まるとされています。現在の本堂は元禄から享保(1700年前後)の建立と考えられています。
その後、明治の神仏分離令によって神社になり、信徒の猛反発にあって天台宗寺院法落時の付属仏堂となり、昭和になって東浪見寺として認められるという変遷をたどったようです。複雑な経緯があるのですね。


大きな木が大好きな私にとって、ここの木々は本当に素敵です。ああ、いいなあと思いながら行きますが、だんだんはあはあしてきました。途中何回か踊り場のようなところがあって、一息つきながら、山門にたどり着きます。
門の両側に仁王像があったのですが、右側の赤いのだけになっていました。左側は壊れちゃったみたいで、白い布でぐるぐるに包まれていました。阿吽の2体なのに、片っぽだけになっちゃって、なんだか切ないです。

いつもひっそりとしている本堂ですが、今日は男衆が火を焚いています。扉もあけられ、奥のご本尊・軍荼利明王のお顔も見えています。ですが、手前の畳の部分にお札やお供え物が置かれ、関係者以外はその部分に上がれないようで、すぐ近くでの参拝は叶いませんでした。
ひっきりなしに、近隣の信徒とみられる方が来て、お札などを交換していくようです。前に来たときは、まったく誰もいなかったのですが、1年に1度の例祭ってこういうことなんですね。地域にしっかり根ざしているお寺なのだと感じました。

ご本尊の軍荼利明王(写真は取れないので、これは看板の写真です)
現存の像は平安末期か鎌倉初期の作と看板にはあるが、藤原時代のもので頭部のみが奈良時代の彫刻ともいわれていまます。
もともとは腕が8本あったものが、廃仏毀釈の影響で、腕6本が切り取られ、前にある2本のみが残されたとのこと。千葉県の指定有形文化財。
せっかく年に1度の公開で見ることができたのですが、胸から上ぐらいしか見えなくて、憤怒形だという顔の表情なども摩耗のためよくわからず、少し残念でした。

階段って、降りる方が恐いですよね。手すりにつかまりながら、ゆっくりと下りました。下りる途中も、何人もの人が上っていきます。
ほんとに今日は特別な日なのだと実感。
下の鳥居のところでほっとしてると、おばあさんを含んだご家族が車で来ました。「私、82のおばあさんだよ、上れるかな」「大丈夫だよ」と会話しつつ、軽やかに上っていきました。私なんかよりずーっと足取り軽く平気そう。
もうちょっと鍛えなくっちゃ、と思ったのでした。
(2022年1月29日 佳)









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