ティーバッグ型のコーヒーって知ってますか?
ドリップバッグではありません。ティーバッグみたいにお湯に浸すだけでできるコーヒーです。
最近よく聞くようになりました。
コーヒー屋さんが独自で作っているものの他、カルディーや無印良品でも、大手からも、キーコーヒーやUCC、ジョージアのコーヒーバッグ、ネスカフェのディップスタイルなど、いろいろ出ていて、ハンドドリップと遜色ないと書かれています。
いったいどんなんだろう??
興味深々、ちょっと実験してみよう、
ということになりました。
ネットで検索すると、いい記事が見つかり、使う道具や挽き方、淹れ方を細かく
書いてくれてあったので、それに従ってやってみます。
肝心なのは、ドリップバッグと比べてどうなのか、ということ。
ドリップバッグとテーバッグコーヒーを並べて淹れて飲んでみましょう。
使う袋は、うちで水出しコーヒー用に使っているのの小さいサイズのやつ
(これはサンプルでもらったものですが、ネットの記事の人も同じメーカーの
コーヒー専用袋を使っていたました)、それに一般のお茶パックの袋を加えて
3種類。中身は10gで同じ、でもティーバッグの方はドリップバッグよりは
少し粗めに挽きました。
淹れ方は、諸説ありますが、とりあえず松屋式風で。
粉をちょっと湿らせておいてからお湯を入れます。出来上がりを180㏄にして、
テーバッグを10回振り、3分おいて、また10回振って取り出します。ドリップ
バッグの方は湿らせて3分経ったらゆっくりとお湯を注いで180㏄になるように
ドリップしました。
ドリップバッグでもそうするとおいしく入れられますよ。
最初に入れる少量のお湯は同じに、約10㏄にしました。
3つのカップを並べて飲んでみると、びっくり、ほぼ変わらない!
むしろティーバッグの方がおいしいかも。なんで???
ポイントは油分、ドリップバッグより油分が多く出て、それがまろやかさを
醸すようです。
これ、やってみたらいいかも、って思いました。
湿らせてから置く時間、お湯につける時間や振り方で、濃くも薄くも
できそうです。(ネスレのディップスタイルでは、お湯に90秒浸して
振らないことを推奨しています。)
お湯さえあればいいし、失敗もない。後の処理もカンタン。
いいことづくめ、これで味が問題ないとなれば、GO です。
東ティモールのコーヒーでテーバッグ型のを作って販売してみようかという
ことになり、さらなる実験を重ねることにしました。
ちなみに、水出しコーヒー用の袋とお茶パックは、味はあまり変わらない
のですが、そこに溜まる微粉の量が全然違う、お茶パックは粉がいっぱい
沈んでる。やっぱりコーヒー用のでやらないとだめみたいです。
値段はずいぶん高いんだけれど、仕方ないです。
沈んでる。やっぱりコーヒー用のでやらないとだめみたいです。
値段はずいぶん高いんだけれど、仕方ないです。
コーヒーそのものもさることながら、何かいい名前はないかと考え中。
ティーバッグコーヒーっていうのも変だし、インスタントコーヒーじゃないし‥。
いくつか候補があるのでお楽しみに。近いうちに試作品作ります。
余談ですが、インスタントコーヒーって何だか知ってますか?言葉としては、インスタント=すぐできる、ですが、コーヒーの分類ではちゃんと決まりがあります。インスタントコーヒーは、コーヒー抽出液を乾燥させて粉末にしたもので、コーヒー豆をたとえどんなに小さいかけらでも含んでいたらインスタントコーヒー・レギュラーコーヒー入りと表示しなくてはいけないそうです。ネスレが、、レギュラーコーヒーでもなくインスタントコーヒーでもない新ジャンルとしてレギュラーソリュブル(水溶性という意味)コーヒーという名前で、微粉砕した豆と抽出液を混ぜたものを乾燥させて売ろうとしたら、認めらなくて、そのことがきっかけで、ネスレは全日本コーヒー協会を脱退したそうです。だから、ネスレ製品は、日本で唯一コーヒー協会のマークがラベルに入っていないのだそう、全然知りませんでした。その延長線上に、ネスカフェ香味焙煎・ディップスタイルは位置しているようです。
さて、日本では新しい(?)豆をお湯に浸すだけのコーヒーですが、コーヒーの生産地では昔からある飲み方です。生産地では、豆を直火で煎ってお湯を入れ上澄みを飲むというのが普通。東ティモールでも、今でもそうやって飲んでいるようです。
浸けとくのは、浸漬法(しんしほう)というのですが、ドリップバッグを使って浸漬法をやるやり方もあるようです。サーバーにお湯を入れてドリップバッグの粉を出して撹拌し2分待って、空になったドリップバッグをカップにセットしてそこにコーヒー液を注ぐ、つまりそれで濾す、そうすると格段においしくなる、とありました。えー、そうなの?今まで、ドリップバッグはお湯につかっちゃいけないと思って持ち上げたりしてたのに、浸けちゃった方がいいなんて、これにもびっくりです。コーヒー、深いですね。まだまだ知らないことがいっぱいありそうです。
ところで、世界のコーヒー状況は、値上がり傾向。原因は、コロナの影響で、家庭消費の需要の高まりに、船やコンテナの不足による輸送の困難、更には世界のコーヒー生産の40%を占めるブラジルでの天候不順、コロンビアでの税制改革への講義による道路封鎖、など多様な要因によってコーヒー相場は高騰しています。日本でもこの秋から、味の素、上島珈琲、キーコーヒーなど大手各社が値上げしました。温暖化の問題、コーヒー農家の減少、コーヒーの木の老朽化、問題は山積しています。毎日美味しいコーヒーが飲める日常は、いつまで続けられるのか、ちょっと心許ない状況です。
そんな中ですが、今年の東ティモールのコーヒーの収穫状況は好調だそうです。よかった!
私たちがお世話になっているCOCAMAUとパルシックは、コーヒー畑の改善事業に取り組んでいます。1980年代に植えられて老朽化した木の植え替え、土壌改良、木の手入れが進められてられています。大切なことですね。
今年の春、東ティモールは大規模な豪雨災害に見舞われました。
首都ディリで大雨で川が氾濫し、広範囲で浸水。
パルシックの現地事務所も、被災者の支援に活躍しました。
その大雨災害、ハーブティーの入荷に影響しました。
4月に輸出される予定だったハーブティーですが、乾燥工程が思うように
進まず、やっとディりに届いたのが7月、それなのに通関手続きをする
役所が突然お休みになり、7月の船には載せられず。
やっと8月に出航したら、コロナの感染症対策とスエズ運河の座礁事故の影響で
アジアの海上輸送に大幅な遅れが生じていて、シンガポールから上海経由で
横浜へ、10月になっていました。
私も、入荷したと聞いて、早速注文しました。
ちょうど在庫がほとんど亡くなっていたタイミングでした。
これはハーブティーの話ですが、コーヒーも輸送の影響はあるかもしれません。
世界のコーヒー相場に比較的関係ないとはいえ、輸送状況や天候の影響は
いつだって起こりえます。
コーヒーだけじゃなく、いつ普通に輸入されていたものが入ってこなくなるか
わからない。
今回のコロナで分かったことは、どこだって自分の国がまず優先されると
いうこと、他所の国のことは後回し。怖いことです。
日本の食料自給率を考えると、絶望的です。何とかしなくては、と思います。
当たり前のように手に入るものと思っていたもの、それは当り前じゃない、
肝に命じておきましょう。
(2021年10月29日 佳)