炎の雫は、音や本を楽しんでいただきたいとの思いから、音・本カフェと名乗っています。
本を読む、音楽を聴く、映像を見る、それらはみんな心のお出かけ。なかなかリアルには出かけられない今日この頃、せめて心のお出かけを楽しむ、そんなつもりで過ごした今年でした。
今年、コロナの影響でカフェは2回の長期休業をしました。4月の末からのお休みの時に考えたのが、ライブラリー利用。予約制で不特定多数の人と会わずにコーヒーを飲みながら本を見たりして楽しんでいただくという企画。その際、本とレコードの点検整理をしました。それでわかったのが、本は1000冊近く、レコード850枚とCDも200枚以上、結構あってびっくりでした。
本は私の趣味で集めたものが主です。絵本図書館とか絵本カフェとかが大好きなので、絵本は結構たくさんあります。3月のブログで本のこと書いたとき、絵本についてはまた…と書いたので、少し触れておきます。
五味太郎と宮西達也は大好きな作家。五味太郎は、「きんぎょがにげた」「きいろいのはちょうちょ」とか定番もあるけど、「はやくあいたいな」は思い出の1冊。私が杉並区の児童館で出会った自閉症の小学校1年の男の子が大好きな本で、何度も何度も繰り返して読んで、「しまった!」っていうセリフをいつも本当にそう思ってるみたいに言ってて、すごーく印象に残っています。その子は五味太郎さんが大好き、彼のおかげで五味太郎ワールドに足を踏み入れたのでした。彼はジブリの映画も好きで、「千と千尋の神隠し」の中の「大変、ハクが死んじゃう」というセリフをしょっちゅう言ってて、それがまた真に迫ってて、感情豊かなんだなあ、と思ったことを覚えています。
そういえば、お正月に「千と千尋の神隠し」テレビでやるみたい、録画予約しなくっちゃ。
宮西達也は、恐竜のシリーズ、狼のシリーズ、シニガミさんシリーズ、カブト三十郎シリーズ、どれもいいです。わかりやすいけど心にぐっとくる。子どもたちも大好きで、学童クラブの読み聞かせで読むと、みんな真剣に聞き入っていました。大人でもぐっとときます。
こっちはおもしろい本のシリーズ。“うける“というやつ。
ここにある本たちは、障害のある子供でもわかるもの。
知的障害のある中高生の活動をしていた時、活動の中で本に触れてもらう時間をつくりたいと、毎日お話と歌の時間を作っていました。わかりやすくて、ことば数もページ数も少なくて、絵もきれいで、彼らの興味もひいて…いつもそんな本ないかなと探していて、図書館に通ったり、ネットで探したりしてて、そのおかげで絵本コレクション増えたとも言えます。
「りんごかもしれない」はちょっと彼ら向きではなかったけど、(ヨシタケシンスケは比較的最近の作家さんで一般の小学生にはうけます。もうちょっと幼児向けの本が障害児には良いようでした)
あとの3冊は “うけ” ました。「ここからだしてくれ」はみんなげらげら笑ってて、一番受けた本かもしれません。
さて、こちらは美しい本です。大人が眺めて気持ちをほーっとさせるのに最適。
シュルビッツの「よあけ」は、ここに歌いに来てくれていた寺田町も大好きな本だと言っていました。
ブルーノ・ムナーリの絵本は、小淵沢のえほん村で見て、魅せられて、欲しくて探したけれどなくて、ブックオフに登録しておいてやっと入手しました。
ムナーリの絵本、他にも何冊もあるのですが、どれも入手困難、まだ手に入れられずにいます。
荒井良治、ワイズブラウン、絵がいい。「うきわねこ」は最近の本ですが、牧野千穂さんの独特の絵に、言葉は詩人の蜂飼耳。
詩と絵の本と言えば、中原中也×清宮質文の「また来ん春…」、この本がきっかけで、清宮質文の展覧会を見に、京都の大山崎美術館まで行きました。それが2019年のコロナ直前、この展覧会の後、大山崎美術館は長期の休業に入りました。
同じシリーズの谷川俊太郎×堀本恵美子の「青は遠い色」、谷川俊太郎×クレー「クレーのえほん」「クレーの天使」もとっても好きです。今年はこういう本を手に取ることが多かった気がします。
定番もありますよ。エリック・カール、「パパお月さまとって」は、しかけ絵本、ページが広がって、楽しい、読み聞かせでこれも子供たちにうける本です。「はらぺこあおむし」も仕掛け絵本でしたね。エリック・カール、今年亡くなりました。何年か前、世田谷美術館に友田氏とエリックカール展をみに行ったことを思い出します。
レオ・レオ二、モーリス・ゼンダック。超ロングセラーの「ぐりとぐら」はまだうちには2冊、揃えたいな、シュールな镸新太、これももう少し欲しいな。
小説や物語に没入するのが心の旅だとしたら、絵本の世界にいくのはお散歩、ちょっとしたお出かけといったところでしょうか。
うちのライブラリー、音の方は主に夫・水野たかしのレコードコレクションです。その中から、夫にお気に入りのレコードを選んでもらいました。
一番のお気に入りはジャクソン・ブラウン「Late for the Sky」これを真ん中にして、と言われました。
ライ・クーダーは2枚「JAZZ」と「Boomer’sStory」。ボブ・ディラン「Slow Train Comming」、デルバート・マクリントン「The Jearous Kind」。そしてザ・バンド「Music from Big Pink」。
この他にも、エリック・クラプトンとかデイブ・メイソンとかオールマン・ブラザースバンド、ボブ・シーガー、ボニー・レイット、JJケイル、…あげだしたらきりがないとのことでした。
最後に、今年のリアルなお出かけについて、書いておきます。ほぼ千葉から出なかったとはいえ、どうしても見たいものを見に行きました。それが美術展1回、映画が3回。
美術展は、2月のたばこと塩の博物館での「ミティラー美術館展」。この展覧会でインド絵画を知り、そこからタラブックスと「夜の木」へとつながりました。
映画は、4月の「僕が跳びはねる理由」、これは千葉ですが。ドキュメンタリー映画「道草」の上映会をやってすぐのタイミングで、興味のあるテーマで観たかった映画でした。
10月には「サマーオブソウル」を豊洲に見に行きました。
黒いウッドストックと呼ばれた1969年のハーレムカルチュラルフェスティバル、50年も埋もれていた記録映像を映画化、BBキング、スライ、ニーナシモン、マヘリアジャクソン!すごい! マヘリアジャクソン、レコードは時々かけてたけど、CDなかったので買っちゃいました。
年末12月、久しぶりのシネマチュプキタバタで「MINAMATA」を観ました。もう終わっちゃう、観なくちゃと思って行きました。これについては、もう少し考えてから書きたいと思います。
炎の雫では、2021年のイベントは映画上映会が2回のみ、「道草」「カンタ!ティモール」でした。カフェは1年の1/3お休み。
でもよかったことも。一つは、シネマチュプキタバタで、5周年記念のイベントで「カンタティモール」の上映会をやった時、炎の雫のコーヒーを使ってくださったこと。それをきっかけに、ベイスのショップで買ってくださるようになった方もいます。ありがたいことですね。もう一つは、ティーバッグ型のコーヒーバッグを作ったこと。秋から友人たちを巻き込みながら実験を重ね、12月にはベイスのショップに挙げることができました。好評です、お試しパックもあるので、興味のある方はぜひ。
来年はどうなるのでしょう。行きたいところに行けて、やりたいことがやれるようになるといいですね。
みなさま、よいお年を。(2021年12月28日 佳)