2023年2月25日土曜日

ブレンドコーヒー

 

ブレンドコーヒーを作りました!

「Timor  Coffee ライトブレンド」と         「Timor  Coffee ビターブレンド」の2種。

只今、発売準備中。

近日販売開始の予定です。


ブレンドコーヒーとは、複数の銘柄をmixしたコーヒーです。昔はどこの喫茶店に行っても、まずブレンドがあって、それからストレートコーヒーがあるというのが普通でした。ブレンドしかないところだってありました。お客さんはメニューなんか見ないで「ブレンド」、ちょっと気取った人や、気分を変えたい時は「モカ、ストレートで」なんていうのが当たり前でした。ブレンドコーヒーは店の顔でした。

ブレンドコーヒーの歴史は18世紀から。世界で最も古いブレンドと言われているのはモカ‐ジャワ。アラビア半島(現在のイエメン)とオランダ植民地だったジャワ(現在のインドネシア)のコーヒーをブレンドしたもの、何世紀にもわたって世界で最も人気があるコーヒーだったそうです。モカのフルーティーな酸味にジャワの滑らかな深み、正反対のフレーバーを組み合わせることで丸みのある味を作り出すという原理が生まれました。

ブレンドの方法は2つ。プレミックスとアフターミックス。焙煎する前にブレンドするか、焙煎した後でブレンドするか。プレミックスは生豆の状態で混ぜてから焙煎するので作業が簡単、大量生産に向いているけど、大きさや密度の違う豆を、同時に均一に焙煎するのが難しい。というか、同一銘柄でも均一にはならないから、まず無理でしょう。

アフターミックスは、コーヒー豆の種類ごとに焙煎して後でブレンドする方法。それぞれの豆の個性や特徴を引き出す焙煎をすることが可能ですが、焙煎の手間も時間も何倍もかかります。プレミックスだと焙煎したものはもう変えようもないけれど、アフターミックスならブレンドの割合を変えたりできる。
炎の雫のブレンドはアフターミックスにしました。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、焙煎度の違う(色が違う)豆が混ざっています。これはビターブレンドの豆です。

こっちはライトブレンドの豆。(もっとわかりにくいかな?)
紆余曲折の挙句、東ティモールの豆にコロンビアとタンザニアをブレンドすることにしました。ビターは深煎りを、ライトは中煎りをベースにしています。
もともと、家でティモールに何かを混ぜて飲むことはかなり前からやっていました。少量ずつ仕入れてカフェで出したりしているスタンダードクラスのコーヒーをブレンドしているうちに、ティモールブレンド作ろうかという話になって…でも実際に何を混ぜるか、決めるまで何年かかかっちゃいました。ブレンドによく使われるのは、ブラジル・グアテマラ・コロンビア・エチオピア・モカ・キリマンジャロなど。ブラジルはティモールとは合わないような気がして、じゃ何がいい?豆の値段も考慮しなくちゃならないし、焙煎度合いを変えてみて、飲み比べて…たどり着いたのがコロンビアとタンザニア。

因みに、タンザニアというのは昔のキリマンジャロのこと。昔はキリマンジャロ山域の周辺で収穫されるコーヒー豆すべてをキリマンジャロと呼んでいました。昔のキリマンジャロは今はタンザニアとケニアに分かれています。
もう一つ、モカというのはイエメンのモカ港から出荷されたコーヒー豆の総称だって知ってましたか?今ではモカは、イエメン産のモカマタリ、エチオピア産のモカシダモ、モカイルガチェフェなどに細分化されています。

昔、喫茶店でブレンドが主流だったのは、コーヒー豆の質が良くなかったことがあります。豆の品質が低く不安定だった中で、何とかして豊かな風味を出そうと異なる豆を混ぜ合わせて少しでもおいしいコーヒーをと頑張った。30点くらいの豆を合わせて100点を目指す、豆の欠点を補うようなブレンド。余ってる豆の消費という側面もあった。だから、値段もストレートより安く設定されていました。その当時は3~5種の豆を合わせるのが常識、ブラジル4,コロンビア3,エチオピア2,インドネシア1が黄金比といわれたり。
そんな時代から、時は移り、今ではコーヒー豆の品質は劇的に向上しました。高品質で個性ある豆が各国で生産されている、そんな今のブレンドは、100点の豆を掛け合わせて300点を狙うような、より長所を強く出すためのブレンド。なるほど、それで今はストレートよりもブレンドの値段が高いんですね。納得です。手間もかかるしね。

ついでに、ストレート、シングルオリジン、スペシャリティコーヒーについて。
ストレートは一つの銘柄1つの生産地域で獲れたコーヒー豆を使ったコーヒーです。(単一の銘柄、生産国)複数の農園の豆が混合しています。
シングルオリジンコーヒーは、単一農園・単一品種で分けられたコーヒー。トレーサビリティー(追跡可能性)が高く、品質の高さへの信頼性があるため、高値で取引されます。

それとは少し別の観点でスペシャリティコーヒーがあります。その概念は1980年代のアメリカで生まれました。リーズナブルなコーヒーが大量消費される中、コーヒーの低価格化によって生産者への賃金も低下し、生産者が減少、品質が悪化する事態となり、そのことからコーヒー農園を守り生産環境を整えることが必要との考えからスペシャリティコーヒーの概念が生まれ、品質的には、カップクオリティのきれいさを求め、それに加えてサスティナビリティ(持続可能性)が重視されます。正当な対価が保証された体制の下で、コーヒー農園が継続的に安定した栽培を続けられること、また自然環境への配慮、社会倫理の順守が求められます。そんな厳しい基準を満たしたコーヒーがスペシャリティコーヒーです。

高円寺時代、コーヒーを仕入れていたチモトコーヒーさんが、ある時ストレートのコーヒーを今月のスペシャリティコーヒーと言うようになったのを覚えています。そのあと、やたらとこの単語を聞くようになって、そうこうするうちにシングルオリジンってなんだ?サステナブルってなんだ?SDGsってなんだ? ってごちゃごちゃになったので、整理してみました。(SDGsは持続可能な開発目標、世界中の環境問題・差別・貧困・人権問題を2030年までに解決していこうという目標。2030年までって……)

ブレンドコーヒーに戻りましょう。

炎の雫のブレンドコーヒー
「Timor  Coffee ライトブレンド」と
「Timor  Coffee ビターブレンド」

これは試作品ですが、友人・知人に飲んでもらって、概ね好評です。
  お楽しみに!
(2023年2月25日 佳)




新生・炎の雫

「炎の雫」新しくなりました。 東ティモールコーヒーから自家焙煎コーヒーへ。コーヒーの銘柄を増やして、カフェでも飲めるし、豆の販売でもご購入いただけるようになりました。 ラインナップに加わったのは、タンザニア・コロンビア・メキシコ・グァテマラ・エチオピアシダモの5種類。 また、焙煎...