2024年4月27日土曜日

新生・炎の雫

「炎の雫」新しくなりました。

東ティモールコーヒーから自家焙煎コーヒーへ。コーヒーの銘柄を増やして、カフェでも飲めるし、豆の販売でもご購入いただけるようになりました。

ラインナップに加わったのは、タンザニア・コロンビア・メキシコ・グァテマラ・エチオピアシダモの5種類。

また、焙煎度も今までの4種類・中浅煎り(ハイロースト)、中煎り(シティロースト)、中深煎り(フルシティロースト)、深煎り(フレンチロースト)に加えて、イタリアンロースト・極深煎りも始めました。豆の購入では5種の焙煎度から指定していただけます。深煎り好きの方には朗報かも。

ことの発端は、東ティモール生豆の売り切れです。3月の初めに、いつも通りパルシックに生豆の発注をかけたところ、2月末でほぼ売り切れというお返事が来ました。びっくりしました。え、今の時期で売り切れ?何それ、えーどうしよう??この先の見通しを聞くと、次の入荷は今年の収穫後で秋になるとのこと、これは大変です。てんやわんやの始まりでした。

まずはベイスのネットショップで豆の注文を止めなくちゃ。すべての在庫を0にして「東ティモールコーヒー今期売り切れ」と出しました。それからどうするかを考え始めました。まずは常連のお客様に事情を連絡、定期的に買ってくださっている方もいるし、炎の雫のコーヒーをお店で出してくださっているところもいくつかある。そういう方たちが困らないように何とかしなくっちゃ。東ティモールコーヒーを扱っている卸販売の店や、パルシックとは別のNPO にも聞いてみたけど、どこも在庫なし。いろいろ考えた挙句、ティモール以外のコーヒーを入れるしかないとの結論に達しました。

ここから壮大な実験の日々が始まりました。
以前からとある珈琲豆屋さんで、東ティモール以外の豆をごく少量ずつ仕入れて、カフェで出したりしていました。いろいろ探してみましたが、そこで仕入れるのが一番よさそうです。今までは個人で登録して買っていましたが、この際だから10㎏以上の購入を条件とするサイトの方に会員登録することにしました。こうすることで価格が少し安くなります。パルシックの東ティモール生豆価格より高いけれど、スタンダードクラスの豆ならそれほど価格を上げずにできそうです。値段は大事です。いきなり値段が倍になったりしたら、もう買えないって思いますよね。去年値上げしたところだし、なるべく近い値段でと思ったのですが、結果的に100g50円、250gでは100円upで納めることに。

生豆を購入して、飲み比べの日々が始まりました。まずはそれぞれがどんな味なのかを知るために、とりあえず中煎りにして、いつもの松屋式で淹れて飲んでみます。松屋式はスッキリして雑味が出にくい、裏返すとみんな美味しいような気がして、飲み比べていくうちによくわからなくなってきます。
他の抽出方法だったらどうなの? 一般の方はカリタ? それともハリオ? 味がストレートにわかるのはフレンチプレス? サイフォンでも淹れてみようか? いろいろやるほど混沌としてきます。(うちにはコーヒーメーカーはないから除外、コーヒーメーカーの人が多いような気もするけど。)
次に、同じ銘柄でどの焙煎度がいいかの実験。一般的に言われてるような、例えばタンザニアだったら浅め、グァテマラだったら深めで焙煎というのから始めて、でもタンザニアの深めってどう? グァテマラの中浅は? なんて言いつつ、結局ほぼ網羅しました。
その中で、これはあんまりおすすめじゃないな(コロンビアやメキシコの中浅とか、タンザニアの深煎りとか)というのを除いて、次は同じ焙煎度での飲み比べ。中浅だったらタンザニアとシダモを並べて飲む。すると酸味の質が全然違うことに気づく。よく言われるシトラスとベリー、タンザニアが柑橘系ならシダモがベリー系なんだ、なるほどね。深煎りは、コロンビアとメキシコとグァテマラを並べて飲んでみる。コロンビアには独特の酸味が出るし、メキシコには甘みが。グァテマラはコクが出る。おもしろい。

だいたい決まってきたところで、友人にサンプルを送って味見してもらうことにしました。それぞれの好みに合った焙煎度の数種類を送って感想をもらいます。感じ方は人それぞれ、好みもあるし。簡単な感想から、東ティモールとの違いを表にして送ってくれた友達もいました。そういう友人がいるって有難いですね。ご近所の常連さんにもお願いしました。ご協力くださった方、ありがとうございます。

水出しコーヒーの実験も結構しました。今まで東ティモールの深煎りだけで作っていた水出しコーヒー、いろいろ試す中で、総じて言えるのはどの銘柄の深煎りもティモールよりまろやかというかおとなしいということ。水出しにすると物足りない。それでブレンドしようとなり、その配合に試行錯誤。不思議なことに、深煎りだけを混ぜるより、一部中深煎りを混ぜる方がなぜか苦みが出る。本当に不思議。それで深煎り2種と中深1種のブレンドにすることにしたけれど、それでもまだおとなしい。そこで極深煎りを作ってみようとなりました。いわゆるイタリアンロースト。それを混ぜて、一応水出し用の豆は決まり。東ティモールのとは違うけどね。極深煎りはグァテマラとメキシコの2種にしました。ブレンドじゃなくて単体での購入も可です。深くなきゃコーヒー飲んでる気がしないという方、ぜひ飲んでみてください。

さて、東ティモールの豆がないなら、中心とするのは何か、と考えたら、それはブレンドでしょう。豆の特徴や焙煎度をある程度把握したら、次に考えるべきはブレンドの配合。どういう味を美味しいと思うのかは人によって全然違うから、本当に難しい。これも相当いろいろやってみました。で結局のところ、これにする! って決めちゃうしかないという結論に達しました。ブレンドは少し前から東ティモールに他の豆を足す形で、ライトブレンドとビターブレンドを作っていましたが、それを受け継いで東ティモール抜きで考えました。ライトは中浅煎りと中煎りの豆3種類(今のところ中心はタンザニア)、ビターは深煎りと中深煎りの豆3種類(今のところ中心はグァテマラ)をブレンドすることにしました。実はまだ実験中。こっちの方がいいと思ったら変わるかもしれません。

ドリップバッグも考えなくちゃなりません。今まではレギュラーがティモールの中浅煎り、Fが深煎り。それをベイスに出していて、ご注文に応じて中や中深でもDB作っていました。初めは味の似てるもので単銘柄で作りたいと思っていましたが、それは無理と諦めて、DBはブレンドで作る2種にしようと決めました。これも、いつもDB買ってくれてる友達に試作品を送って飲み比べて貰ったり、アドバイスもらったりして。そこでハタと気付いたのが、外側の問題。「Timor Coffee Drip Bag」と書いてあるので、スタンプ変えなくちゃ。で「炎の雫 DRIP BAG」として「ライト」「ビター」のスタンプ押すことにしました。(ライトとビターは消しゴムスタンプまだ作ってなくて、ブレンドのスタンプを流用しました。)

この辺りでベイスのネットショップを再開。ラインナップに5種のコーヒーを加えてリニューアルオープン。写真撮って商品新規で追加して説明文書いて、かなりめんどくさい。あ、店名に東ティモールコーヒーと入れちゃってるのでそれではまずい、と「自家焙煎コーヒー炎の雫」に変更。え、そうするとリーフレットも変えなきゃということに思い至りました。うちのリーフレット、見たことある方はわかると思いますが、ほぼ東ティモールに特化されてます。表紙は東ティモールコーヒーだし、中身は、東ティモールコーヒーについて、東ティモールってどんな国?、パルシックのことなど。東ティモールコーヒーなしでこのリーフレットつけられない、作らなくっちゃとなりました。ついでに、取り扱い始めたコーヒーの簡単な特徴や値段を書いたチラシも作らなきゃ、ああ、際限もなくやることがあります。
これもまた一筋縄ではいかなくて、絵を描くところから始まって、内容考えて、レイアウトして、アスクルに入稿しようとしたらトラブって……と四苦八苦。ようやくできたが冒頭の写真です。あー疲れた。それにしても、最近のチラシ印刷すごいですね。プリンターのインク買うより安いし、時間がかかってよければどんどん安くなるし。

そして、昨日、ようやくカフェのメニューの変更に着手。
今までなかったコーヒーを載せるからには説明も必要だよね、これはチラシをベースに書くことにします。
ちなみにこのチラシは、愛知県のフレーバーコーヒー改めコーヒープロのコーヒーメニューのチラシを参考にして作りました。松屋式の伝道師ともいうべきお店です。

余談ですが、昨日コーヒープロのユーチューブチャンネルで、フレーバーコーヒーの値上げに伴うコーヒー事情及びこれからの見通しについて語っていました。コーヒーの価格は上がり続ける、少なくともこの秋までは下がる要素は全くないとか、2050年を待たずに普通の人が普通にコーヒーを飲めない時代がやってくるとか、悲観的な内容でしたが、とてもためになる話でした。

何はともあれ、どうにか連休に間に合って、これで一応の変更作業終了!
新生・炎の雫が焙煎し始めたコーヒー銘柄それぞれについては、追々書きたいと思います。

怒涛のような2ヶ月、コーヒー三昧の日々でした。
でもね、いろんな試行錯誤、実験はまだまだ続きます。(2024年4月27日 佳)











 

2024年3月30日土曜日

千葉市動物公園


千葉市動物公園へ行ってきました!千葉に引っ越してちょっと経った頃に一度行ったきりで、久々の訪問です。

千葉市動物公園と言ったら、ハシビロコウとレッサーパンダの風太君が有名。ですが、前回はそのどちらにもあってないみたいで、なんでかな??と思いながら、今回の訪問。動物園ってなんておもしろいんでしょう、楽しかった!ハシビロコウについては後で詳しく書きます。




モノレールの駅を降り、正門を入って木々の間の坂道を登っていくと、やがてモンキーゾーンに着きます。千葉市動物園には、たくさんの種類のサルたちがいることも特徴の一つです。これはフクロテナガザル。私の大のお気に入りです。野生ではマレー半島やスマトラの熱帯雨林に生息していて、テナガザルの中で最も大きい。大きな喉袋を膨らませて「ホウホウ」とかなり大きな声で鳴き、長い腕でうんていを伝わって素早く移動、見ていて飽きません。ずーっと見ちゃう。時々止まってこっちを見てる顔がなんともかわいい。ここにいるのは雌と雄の2頭。30年以上仲良く暮らしているのだとか。エサは、野菜・リンゴ・ゆで卵にヨーグルト食パン。人間の朝ごはんみたいですね。

これはブラッザグエノン。
オナガザルの仲間。コンゴ盆地やその周辺の湿地林、川辺に生息しています。場所によって、地上で半生活するグループと樹上で生活するグループがいるとか。食べ物は、木の実、葉っぱ、昆虫。横向きだからちょっとわかりにくいけど、おでこのところの毛がオレンジ色で目立ちます。

これはワオキツネザル。本当はしっぽが長くて黒と白のしましまで特徴的なのだけれど。しっぽをピンと立てて歩くと書いてあったけど、なかなかそういう光景は見られませんでした。
生息地はマダガスカル島南部。
エサは果実、木の芽や花や、昆虫。



これもキツネザルの仲間。クロシロエリマキキツネザル。
生息地はやはりマダガスカル島の東部。食べ物もほぼ同じ。
体は大きくがっしりしている。堂々としてる感じがしますね。
寒いときは体を丸めて、ふわふわの毛玉みたいになっちゃうらしい。
お母さんは子供を巣に置いて採食に出掛けるとか。
びっくりするほど大きな声で鳴くことがある。
この他にも、パタスざるとかマンドリルとかクモザルとか、いろんなサルがいて、それぞれ面白いです。もちろんニホンザルのサル山もあります。






極めつけはゴリラ。ニシゴリラのモン太君です。霊長目ヒト科ですよ。アフリカ西部の熱帯雨林に住んでいます。大きい。モン太君は雄だから200㎏近くあるのかな、身長も雄は160~180㎝というので、人間と同じ。エサは草の葉や茎、果実、昆虫。肉食はしないのですね。ただじっと動かずに座っているだけなのに、なぜか目が離せなくなってしまう。何か深遠なことを考えていそう。ゴリラって本当に哲学的。離れがたくなってしまったのは私だけではないようで、隣にいた女性は、「もんちゃんごめんね、もう行くね」と何度も繰り返しながらしばらくずーっと居ました。


モンキーゾーンを抜けると中央広場があって、その向こうに鳥類・水系ゾーンがあります。
そこに至る途中にナマケモノのケージがあって、そこを闊歩していたのがカンムリバト。体長70㎝ほどの世界で最も大きいハト。インドネシア生息。本当はナマケモノと共に動物科学館の中にあった熱帯雨林の森にいたのですが、現在科学館がリニューアル工事中で外に出ています。ナマケモノはどこにいるか全然わからなかったけど、しばらくして上の方にいるのを見つけました。
水系ゾーンにいたのは、カリフォルニアアシカとケープペンギン。アシカは地下の水中部分も見られます。海中では時速30㎞で泳ぐとか。スーッと来てスーッと行っちゃう。ペンギンさんはアフリカ南部にいる70㎝ほどのケープペンギン。カンムリバトと同じくらいの大きさなんですね。



鳥たち。茶色いのはイヌワシ。90㎝くらいある。精悍でかっこいい。地上のウサギ、空中のカモなどを捕まえて食べる。
白いのはヘビクイワシ。1mくらいあって翼を広げたら2mもある。サバンナから半砂漠に住み、猛禽類では珍しく地上で生活する。エサは、昆虫、ネズミ、蛇、鳥の卵だって。
その次の写真はハイイロコクジャクのお尻。開きかけたけど開かなかったのでした。
赤いのはショウジョウトキ。生息地は南アメリカ、マングローブや加工の湿地など。小魚やカエル、貝を食べる。トキって日本の国鳥かと思ったけど、違いました。学名がニッポニア日本で日本を象徴する鳥とされることが多いけど、国鳥はキジだそうです。日本のトキはもっと白くて、野生のトキはすでに絶滅したけど、保護活動によって、今佐渡のトキは500羽くらいに増えました。
最後の白い鳥はアフリカヘラサギ。アフリカ中部・南部の湿地や干潟で生活していて肉食。ヘラみたいな嘴を水野中に突っ込んで魚やザリガニを食べます。

さて、ハシビロコウです。
体調1.2mほど。大きいです。それがゆっくりゆっくり歩いていきます。なんか時間の流れが遅くなったみたいな、不思議な空気感をまとっています。なんだ、これ、って感じです。もとはアフリカ東部から中央部の湿地や草原に生息。スーダン、ウガンダ、タンザニア、中央アフリカ、ルワンダ、エチオピア(…これってコーヒーの産地ですよね。)主食は魚。じーっと獲物が浮かんでくるのを待って、パクっと捕まえます。
野生環境で魚を捕まえる時は、魚をめがけて体ごと倒れこむのだそう。ハイギョとか時にはカエルやヘビも食べちゃう、動物園でのエサは生きたコイ。
ハシビロコウは独りでいるのが好き。以前、3羽を同じ部屋に入れたら、お互いの距離を保つために1羽が動くと他のこも動いて、三角形を描いてずーっとぐるぐる回っていたとか。おもしろい!
今動物園には、ジットくんとシズカちゃんという2人がいて、別々のお部屋とスペースを持っていますが、この日はしずかーにお互いに境界の柵のところに行ってしばらく見つめ合っている光景がありました。恋してるのかな。独特の雰囲気に、相当惹きつけられてしまって、ここでもなかなか去りがたく、時間かけちゃいました。



平原ゾーンに入っていきます。入り口にはフラミンゴのケージ。色鮮やかな方がベニイロフラミンゴ。カリブ海やガラパゴスに生息。少し小さめで色も薄い方がチリーフラミンゴ。南米のエクアドルやペルー、アルゼンチンなどの山中の塩水湖に生息。エサはどちらも藻やプランクトン。一緒に居ても大丈夫なのかしら。
平原ゾーンは柵や仕切を少なくしたパノラマ式の展示です。大カンガルーはオーストラリアのタスマニア島から。エサは葉っぱ。じゃれあってました。カンガルーの子供って、体長2cm、体重1gで生まれるんですって、ちっちゃい!それからお母さんのおなかの袋で8か月育てられてから外に出るみたい。
マレーバクはマレーシアやスマトラに生息。夜行性なので寝てるのに近い感じでじっとしてました。夢を食べる獏は中国の空想上の生き物でそれとは別。バクが白黒なのは、お釈迦様がバクの背中に乗った跡が白くなったという言い伝えがあるらしい。実際は薄暗いジャングルでは白黒は保護色として有効な色合いだと言わています。



シマウマは2種類いました。広大な丘陵地帯にはグレービーシマウマ。シマウマの中で最も大きくて350~400㎏もあって体長も2.5~3m、アフリカ・スーダンやケニアに暮らしていて、お腹には縞がありません。1頭寝てたからわかりやすい。もう1種類は別のエリアに居てサバンナシマウマ。アフリカ東部から南部のサバンナ地帯に生息。ひと回り小さい230~320㎏、2~2.4m。写真ではちょっとわかりにくいけどお腹まで縞があります。シマウマというよりロバに近い。ともに草を食べます。
鹿の仲間もいくつか居て、これはシロオリックス。アフリカの半砂漠地帯で草や木を食べて暮らしています。1m以上ある長い角は、雄にも雌にもあるそう。この子は東京の多摩動物園から来たと書いてありました。


エリアの中には鳥たちも歩いてたりします。変ちくりんな鳥はアフリカハゲコウ。ピンクの大きな喉袋を持っています。ハシビロコウの仲間かな。身長も110~140㎝渡大きく、サバンナで死んだ動物やヘビ、ネズミ、魚を食べているそうです。
顔だけ出してるのはハゴロモズル。ハゲコウと身長は同じくらいの大きさ。南アフリカ、ナミビアの高原の草地に生息。昆虫や魚、カエルなどがエサですが、ネズミ退治のためにまかれた毒餌のせいもあって急激に減少して絶滅が危惧されているとありました。かわいい顔してます。
ミーアキャットは何頭かいました。体調は30㎝くらいと小さい。サバンナで昆虫やクモを食べて暮らしています。家族や兄弟で群を作り、一番優位なメスがリーダーになる、雄じゃないのね。





キリンも象もいます。キリンはアフリカのサバンナのアミメキリン。象は東南アジアのアジアゾウ。象って一日の18~20時間食事してるんですって。ずーーっと食べてるんですね。
どちらも草食です。ヤマアラシは寝てました。これはアフリカタテガミヤマアラシ。なんかかわいい。ヤマアラシは球根や木の根、果実を食べるみたい。



ライオンは別々の場所に。1頭は完全に寝てました。その寝顔を見てたら、何やら迫力ある鳴き声が響く。もう1頭のライオンが動き回りながら吠えているのでした。精悍でこれは百獣の王と呼ばれるな、と納得できる声。そっちのライオンを見に行ったけど、お尻しか写真にとれなくて、吠え終わって、さて寝るかというところをパチリ。一応目が開いてる顔です。

ブチハイエナ。何だかハイエナっぽい。アフリカのサバンナで暮らしています。エサは、シマウマなどの草食動物。他の動物の食べ残しを漁るというイメージがありますが、最近の研究では、自分たちで狩りをすることの方が多いということがわかってきました。何だかよくないイメージが付いちゃってて、気の毒ですね。


最後は小動物ゾーンです。


ここはなんといってもレッサーパンダ。シセンレッサーパンダという種類で、中国雲南省・四川省からミヤンマーの山地の森林で、子連れのメス以外は単独で暮らしています。標高1800~4800mですって、びっくりです。食べ物は竹の葉っぱや果実、鳥の卵。パンダみたいですね。後ろ脚でまっすぐ立つことで超有名な風太君は去年の夏20歳を迎えて、年だからあまり外に出てこないとのことで、会えませんでした。人間だったら80歳を超えるおじいちゃん、仕方ないですね。でも、風太君の子孫(?)達がかわいい姿を見せてくれています。
このゾーンには、ハナグマやビーバー、カワウソもいるみたいですが、おうちにいるのかよくわかりませんでした。

千葉市動物公園、サイズ感も、のどかさも、混み具合もちょうどよくて、とてもおすすめです。
半日以上たっぷり楽しんで、千葉の駅ビル・ペリエで食事して帰りました。春のメニュー「ソラマメとスナップエンドウのカーチョエペ」というおつまみがビールによくあって美味。ピザとアヒージョもね。大満足の一日でした。
(2024年3月30日 佳)


2024年2月27日火曜日

ロブスタ・アナエロビック

東ティモールから、ロブスタ種のコーヒーが届きました。

東ティモール・エルメラ県ポニララ村のサココ集落でロブスタ種のコーヒーを生産する青年組合コハル(KOHAR)が、2023年に初の試みとして行ったアナエロビック(嫌気性醗酵)製法の豆です。

え?ロブスタ、そのままは飲めないんじゃないの? なんて思いながら、パルシック・東ティモール事務所の伊藤淳子さんのレポートを読みました。「果実の甘みをしっかりと含んだ、おいしいコーヒーに仕上がっていました。」とあります。俄然興味がわいてきました。飲んでみたい、ということになって、サンプルを送っていただきました。やや小ぶりですが、きれいな豆です。


左側がコハルのロブスタ・アナエロビック。右側がいつも使っているアイナロ県マウベシ郡のCOCAMAU(マウベシ農業協同組合)の生豆。色が違いますね。大きさは、同じスクリーン17ということになっていますが、ロブスタの方が小さいようです。
早速焙煎してみました。うちでは、初めての豆はまず中煎り(シティロースト)にすることが多いので、ロブスタですが中煎りでやってみました。

左がロブスタ、右がいつもの中煎り。焙煎してもやはりロブスタが小さめ、それに少し色も濃い。アナエロビックだからでしょうか。(ロブスタについて、アナエロビックについては後述します。)
飲んでみました。ロブスタだから苦いんだろうなと思っていたのですが、全然そうじゃない。これがロブスタ??全然あり、というのが最初の率直な感想です。ロブスタ種のコーヒーを単体で飲んだのは初めてです。
この写真は、ロブスタの中煎りをいつもやっている松屋式ドリップで淹れたもの。見た目は普通です。確かに香りは強くない。でも一般に言われているような穀物感(麦茶とかトウモロコシ茶みたいとか言われたりする)はそれほどなく、独特の(煮だした漢方薬のような風味=ロブ臭と言われる)苦みも泥臭さも、感じられない。

そもそも、コーヒーには3大原種というのがある。アラビカ種、カネフォラ種(ロブスタ種)、リベリカ種。リベリカ種は生産量が少なく味も劣るため、実質はアラビカとロブスタ。

今世界で飲まれているレギュラーコーヒーはほぼすべてがアラビカ種。売っている豆も喫茶店で飲むコーヒーもみんなアラビカ。ただし、例外はベトナムコーヒーとエスプレッソ。 ベトナムコーヒーはロブスタ種を使い、独特の苦みや泥臭さを消すために、焙煎の段階でバターやニョクマムなどを加え、飲むときには練乳を入れて飲む。ベトナムはブラジルに次いで世界第2位のコーヒー豆輸出国だって知ってましたか?
また、イタリアでは、一部でエスプレッソを淹れる時、15~50%のロブスタ種を入れるそうです。これは消化促進と食後の口内リセットのため。でも日本で飲むエスプレッソは100%アラビカ種だそうです。ロブスタは日本人が嫌うタイプの苦さだと書いてあるものもありました。
ベトナム式コーヒーは、ロブスタの豆をフランス製の「カフェ・フィン」というアルミフィルターを使って濃く抽出するのですが、カフェフィンはフレンチプレスを簡易化したものだそうで、フレンチプレスで淹れるのも良いということ、なのでやってみました。確かにドロッとした濃さみたいなものは出るけどあまりおいしいとは言えない。実験失敗。

なぜベトナムでロブスタかというと、ロブスタは低地でも育てられ、高温多湿に適応し、病害虫にも強いから。ロブスタはラテン語で強靭という意味。1898年にアフリカのコンゴで発見されました。
アラビカ種が1300~1800mの高地でしか育たないのに対して、ロブスタは300~800mで栽培可能です。

では、ロブスタは何に使われているかというと、缶コーヒーやインスタントコーヒーの原料として使われています。最近スーパーやコンビニで売られているコーヒーに、「アラビカ100%」と書かれているのを見かけませんか。裏返すと、そう書かれていないのはロブスタが入っているということ。缶コーヒー、インスタントコーヒーのファンは一定数いて、その理由にいわゆる普通のコーヒーだとシャキッとしないという主張があります。それこそがロブスタのなせる技なのではないかと思います。ロブスタはアラビカよりもカフェインが多く含まれています。さらにクロロゲン酸もアラビカより多い。苦みや刺激はクロロゲン酸の焙煎によって生まれるとされています。だからロブスタの入っているコーヒーの方が覚醒作用があるというのは一理ある気がします。

東ティモールのロブスタに話を戻しましょう。
標高の低いサココのKOHARでは以前からロブスタ種を栽培し「乾燥式」と呼ばれる製法で精製していました。実が小さく、果肉が薄くて硬いロブスタは、収穫後に果肉を取らずそのまま乾燥させるのが主流ですが、KOHARでは2023年アナエロビック製法に挑戦。乾燥前のコーヒーの実を密閉容器に入れ、カビが発生しないようになるべく酸素に触れない状態で数日間醗酵させます。アナエロビック製法は、ロブスタの薄い果肉の糖度を存分に利用して、甘みを豆に移し、コーヒーにフルーティーな味わいを加えることができると言われています。(3枚の写真はパルシックのスタッフレポートより、内容も参考にさせていただきました。)

アナエロビックとは、日本語では嫌気性醗酵。収穫され、未熟豆などを取り除き(ハンドピックして)水で汚れを落とした豆を、乾燥させずに果肉が付いたまま密閉容器に入れて蓋をして、キャップにに小さな穴をあけたペットボトルにつないでガスを抜き、数日間空気に触れないようにして醗酵させます。空気のない環境で活発に活動する微生物(嫌気性の微生物)の力を借りての醗酵させます。

すべてが手作業です。

12日間ほど発酵させ、パイナップルのような甘い香りが漂ってきたら蓋を開けます。
カビも生えずにきれいに醗酵しました。
醗酵の終わった実を、アフリカンベッドと呼ばれる網を張った台に重ならないように広げて、通気性の良い環境で2週間ほど天日干しして完成です。
従来の乾燥式に比べて、甘みをしっかりと含んだ美味しいコーヒーになりました。


コーヒーにおける嫌気性醗酵には、カーボニックマセレーションとアナエロビックファーメンテーションがあります。カーボニックマセレーションはワインの醸造におけるマセラシオン・カルボニックがもとになっています。二酸化炭素が充満したタンクにブドウを入れ嫌気性の微生物の働きによって無酸素状態で醗酵させるマセラシオン・カルボニックは、甘くフルーティーな味を作ることができ、通常より短期間で醸造することができる。ボジョレー・ヌーボーはこの方法で作られています。
それをコーヒーに応用したのがカーボニックマセレーション。タンクに直接二酸化炭素を入れ、温度湿度を徹底管理して甘さや酸味をコントロールする方法。それを簡単にしたのがアナエロビック。直接二酸化炭素は入れず嫌気性微生物によって二酸化炭素を発生させる、比較的手間がかからない方法。今ではスペシャルティコーヒーではスタンダードになりつつあるらしい。一度乾燥してから嫌気性醗酵させたり、嫌気性醗酵を二度繰り返したり、フルーツやワイン酵母など加えて発酵させたり、様々なアナエロビックプロセスが行われています。コーヒーにいかに手をかけて、いかに高いお金を取るか、というような側面も否めません。その辺はちょっとどうかなという部分です。

KOHARから届いたロブスタ・アナエロビック、アラビカ種に少量だけ混ぜてみたらどうかなと、サイフォンでコーヒーを淹れる時に実験してみました。そしたら…おいしい!
ほんのちょっと(22g中 アラビカ17gでロブスタ5g)混ぜただけなのに全然変わりました!ふくらみが出て、コクが増え、奥行きがぐっと深くなりました。なんで??やっぱり適材適所で使うべきなのでしょうね。
今回のサンプルは200g、中煎りにしちゃったので、他の煎り方も(ロブスタの特徴を生かすにはもっと深くいるべきですよね)、また他の方法も、いろいろ試してみたいので、KOHARのロブスタ・アナエロビック、注文してみようということになりました。おいしいブレンド、作れるかもしれません。気長に待っててください。

最後に、ロブスタの可能性について。
以前にも取り上げたコーヒー2050年問題。温暖化と森林伐採によりコーヒーの栽培面積はどんどん狭められ、2050年までに現在のコーヒー産地の5割ほどでコー栽培ができなくなるのではないかと言われています。コーヒーを安定的に市場に供給するため、コーヒー業界で注目されているのが良質のロブスタ。日本ではロブスタは安物、低品質と思われていますが、風味豊かな高品質のロブスタはアラビカ種と同等の値段で取引され、ヨーロッパではロブスタ種のグレーダーテストも行われています。
また、研究によって、アラビカ種とカネフォラ(ロブスタ)ハイブリッド品種の掛け合わせで新しい品種が生み出されてきました。その鍵となっているのがハイブリッドティモール。実はティモールのコーヒーは純粋なアラビカ種ではありません。遥か昔に、なぜかロブスタとアラビカの交配によってできたハイブリッドティモールという品種。現在は正式にアラビカ種として認められていますが、どこかにロブスタが入っている品種です。本来アラビカとロブスタは染色体の数が違うため自然交配することはありません。ですがロブスタの痕跡を持つハイブリットティモールがその橋渡しをしてくれる可能性を秘めています。
ハイブリッドティモールと、ブルボンの突然変異種カトゥーラ種の掛け合わせで生まれたカティモールというハイブリッド種が注目されています。2050年問題解決へとつながる一歩かもしれません。(2023年2月27日 佳)














新生・炎の雫

「炎の雫」新しくなりました。 東ティモールコーヒーから自家焙煎コーヒーへ。コーヒーの銘柄を増やして、カフェでも飲めるし、豆の販売でもご購入いただけるようになりました。 ラインナップに加わったのは、タンザニア・コロンビア・メキシコ・グァテマラ・エチオピアシダモの5種類。 また、焙煎...