2026年7月29日水曜日

ご近所グルメと商品券

 暑いですね。今年も、暑くてカフェはお休みにしました。

暑くても、おいしいものは食べたい、ちゃんと食べて頑張らなくちゃ、って思いますよね。

7月24日からカフェを夏休みにしたので、ふらっとご飯食べに行くこともできます。遠くに行くのは大変だけど、ご近所でちょっとなら。

というわけで、ネイバーグルメのご紹介です。


まずはよく行くお寿司屋さん「ひかり寿司」。自転車なら5分くらい、歩いても行けます。私はお寿司が大好きで、何かあるとお寿司食べたい!となります。で時々食べに行ってます。お寿司以外にも天ぷらやお刺身、おつまみ、鰻もあって、おいしいし、落ち着けます。ここでの定番はまず何か2、3品と天ぷらを頼んでちょっと呑んで、それからお寿司食べるというコース。ここではお通しが塩辛や枝豆。おつまみは自家製のさつま揚げ、げそのから揚げ、もつ煮、ぶりかま、時には生ガキとか、季節に応じて。

天ぷらの盛り合わせも季節の野菜と魚と海老。お酒が進みます。


お寿司は地魚寿司、定番の中寿司(うちの夫は高くないネタが好物、マグロとかイカとかね)にすることが多い。

ここの鉄火巻は特筆すべきリーズナブルさでしかもおいしい!いつもお腹いっぱいになっちゃいます。

(中寿司1500円、地魚寿司1980円、鉄火巻1500円)


このあたりのお店は昔ながらの現金のところが中心ですが、ひかり寿司さんはペイペイが使えるのも見逃せない。手元にお金なくても行けるのです。実はここらは銀行もない、農協と郵便局だけでコンビニも遠い、だから気がつくと現金がないという事態が時々起こります。そんな時はペイペイ助かります。


でも、一番最近行った時はいすみ市の商品券を使いました。

今、いすみ市では「いすみ市市民割生活支援商品券」というのをやっています。全市民に一人につき6000円分の商品券を交付、使用期限は9月30日までで指定を受けた取扱店で使えます。地元商店分が500円×6枚、大型店(スーパーやドラッグストア、ケーズ電気、コメリなど)でも使える券が500円×6枚で一人6000円、うちは2人だから12000円分。これが来ると、じゃどっかにごはん食べに行こう、ってなります。


実はこういう商品券事業は、対象を絞ったり、名前を変えたりしながら度々行われています。全市民というのは1年に1度はないけれど、子育て支援とか高齢者支援とか、コロナや物価高対策とかいろいろ。また、プレミア付きの商品券事業(10000円購入で12000円分使える)もあるので、それを入れれば毎年といえます。一時話題になったお米券も、いすみではお米券は配らないことになって、この商品券になったようです。この辺はみんな商品券みたいです。(お米券配った自治体はどのくらいあるのでしょうか?AIによると、東京都墨田区、福井県福井市、沖縄県那覇市などの一部の自治体だとか。それだけ??)


因みに、私たちは市民として商品券を使う側であるのと同時に、店舗(事業者)として券を使ってもらう側でもあります。ただ、店舗側としては指定された日時に市役所に行って換金手続きをする必要があるので、いささか面倒です。こういうことがオンライン申請できるようになればいいのに。


お寿司と共によく行くのがお蕎麦。「手打ちそば ひらが」、こちらも自転車で10分以内。(ここも数少ないペイペイが使える店の一つです。)ここは普通のおうちに靴を脱いで上がる感じ。手打ちそばがおいしい!お蕎麦は夫の大好物。定期的にお蕎麦食べたいなといいます。ここではいつも天ざる。大海老2本付いた海老天ざる(1240円)と、海鮮(イカ、ベビーホタテ)の天ぷら付き(1230円)のを注文し、シェアして食べます。どちらも野菜天もついてます。ここのシステムは大盛はなく追加そばなのでいつも追加1枚(450円)。これでほぼ安定してます。

引っ越してきたころ、近隣に何軒かおいしいお蕎麦屋さんがあったのですが、みんななくなっちゃって。最近1軒鎌倉から来たという「季草庵」というお蕎麦屋さんができて人気のようです。でも私たちはひらがさんに行く方が多いかな。


次にラーメン。おいしいラーメンもあります。一番近くでとっても美味しいのは「リバーサイド森田や」。ここも歩いて行けるくらい。夷隅川の畔にあって、川を見ながら食事できる。屋外席もあり。ここは店主とお父さんが自力で作ったお店。私たちが引っ越してから後にできました。開店の時タオルもらった覚えがあります。以前は西千葉でラーメン屋やっていたそうで、千葉の方から昔からのお客さんが来たりしてます。


ここのラーメンはしっかりこってりのラーメン。醤油、塩、味噌の3種で、細麺太麺が選べて味もこってりあっさり、辛めなどが選べます。量は大目ですが、最近麺少な目もできました。

ここの叉焼、本当に美味しい!とろける柔らかさで得も言われぬおいしさです。

(塩ラーメン、醬油ラーメン 900円)


夜はラーメンと共にちょっとしたおつまみがあって、飲み屋さんとしても機能しているみたいです。(開店当初は焼肉もやってました。)

ここは現金のみだけど、いすみ市の商品券は使えます。





もう1軒ラーメン屋さんを。「麺や海心-umi-」ここは少し遠い。いすみ市だけど、自転車で20分くらいかな。ここのラーメン、すごく好きです。私はこの近辺で一番好きかもしれません。ラインナップはラーメン(醤油と塩)、つけ麵、油そば、担々麺など、トッピングいろいろ。


例えば、私は塩ラーメンの細麺・味玉乗せ、夫は背脂醤油ラーメン食べて、次に行った時は私は魚介つけ麵(950円 写真左)、夫は黒胡麻担々麺味玉入り(1050円 写真右)。本当にどれ食べてもおいしい。基本のスープがしつこくなくて絶妙です。ついでにネットで見た水餃子も註文しました。美味です。「これ、2人前頼めばよかった」って書き込みがあって、食べてみたくて頼んでみたら、ほんとにその通りでした。夏場はざるラーメンとかもあり。

ここも現金のみですが、いすみ市の商品券OK でした。


さて、ご近所グルメで外せないのは「カフェ923」。ここも自転車で20分弱。波の伊八で有名な飯網寺からちょっと入ったところにある隠れ家的カフェです。引っ越してきた当初、自転車でうろうろしてて見つけました。


ここのピザは今まで食べた中で1、2を争う美味しさ、まさに絶品です。何度かブログにも書いてると思います。ママさんが一人でやってて、一枚ずつピザを焼く、それをのんびり待ちながらゆったりとした時間を過ごす、まさに至福です。


夫が好きなのでいつも1枚はマルゲリータ、もう1枚はその時の気分で、季節ものや生ハムルッコラとか、バーニャカウダとか選びます。食後のデザートがまた素晴らしい。実は元パティシエのママが作るスーツも絶対食べなくちゃ。

ここも現金のみですがいすみ市商品券はOK。ですが、今は都合によりお休み中なので、今回は行けませんでした。


「かさや食堂」は行列のできる店です。数年前、夕方のニュース番組のグルメコーナーで取り上げられてから、土日のお昼は必ず、平日だってたまに並んでいます。以前はよく食べに行ったのですが、並ぶようになってから足が遠のいています。といっても食堂の隣の小さなスーパーの方はしょっちゅう行っていますが、食堂はずいぶん行ってないなぁ。


ここは大盛で有名、から揚げ定食はボリューム満点。食べきれないでパックに入れて持ち帰るのが当たり前でした。バカツ丼とか、桶に入ってくるオムライスとか…。それでも一部の目玉メニューを除いて、10年前に比べたら、だいぶ量はおとなしくなりました。

ここも現金のみですが、当然商品券使えます。


飲食店ではないのですが、パン屋さん「ラパン」。ここはいっつも行ってるパン屋さんです。歩いて5分。日常使いに欠かせないパン屋さん、良心的な値段でおいしいパンが買えるありがたい存在です。ここの食パンは食べ飽きない。いろんなところで食パン買うけど、やっぱリここのが一番かもしれないと、密かに思っています。

サンドイッチもカレーパンもよく買うし、チーズロックというチーズのデニッシュが大好き。最近発売されたチョコレートのデニッシュ食パン(ミルフィーユという名前みたい、2山で600円、たっぷり2回分はあります。)、一度買ってみようと思っていて、つい先日、遂に買いました!焼き上がりがお昼頃だというので予約して買ってきて、お昼ご飯に焼き立てをいただきました。なんておいしいの!!感動です。こんな近くにおいしいパン屋さんがあって幸せ。個人的パン事情は、東京に居た時より全然いいです。

ラパンも現金のみですが、商品券使えます。


今回は、いすみ市の商品券と券が使える近隣のお店を紹介してみました。

商品券お持ちの方、9月30日まで使えますよ~。炎の雫でも使えます。カフェは夏休み中だけど、来店の上豆をご購入の際にはお使いいただけます。その時は、前もってご連絡ください。

(コーヒー豆はご注文をいただいてから焙煎する方式です。電話は迷惑電話対策で留守電にしてありますが、メッセージを入れてください。☎0470・67・4644)


まだまだ暑い日は続きます。おいしいもの食べて夏を乗り切りましょう。

(2026年7月29日 水野佳)













2026年6月29日月曜日

「ロン・ミュエク展」

 6月のとある平日、六本木にある森美術館で開催中の「ロン・ミュエク展」に行ってきました。リアルとファンタジーの同居、現実的なのに非現実的、何だろうこれ、おもしろい!

刺激的な体験でした。

ロン・ミュエクを知っていますか? 

1958年オーストラリアのメルボルン生まれ。お父さんが画家、お母さんが人形職人で、子供のころから人形作りの手伝いをしていたそうです。映画・広告業界でモデルビルダーとして20年ほど働いた後、1996年にロンドンのギャラリーで現代美術の彫刻家としてデビュー。シリコンやファイバーグラスなどの現代的素材を駆使し、人間の皮膚の質感や毛穴、髪の毛まで緻密に再現します。

この写真は、スタジオでの制作風景を記録したゴーディエ・ドゥブロントによるビデオ「チキン/マン」の一場面。(森美術館のロン・ミュエク展HP より)


ロン・ミュエクとの出会いは、1年ほど前、十和田市現代美術館の「スタンディング・ウーマン」でした。美術館で最初の部屋、そこに立っているでっかいおばさん。あまりに大きくて妙にリアル、不思議な空間でした。彼女を見上げながら、いろんな気持ちが湧いてくる、ふと気がつくと結構時間がたっていました。

ミュエクの特徴の一つ、作品のサイズについて。

実際よりもはるかに大きい、あるいは極端に、または微妙に小さいサイズで制作する、そのことで人間の孤独や脆さ、人間の存在そのものついての問いを鑑賞者に投げかけていると言われています。


ミュエクは、1997年に死んだ父親を再現した「デッド・ダッド」で一躍有名になりました。

この作品は2/ 3スケールでものすごく緻密に作られたそうです。

十和田のスタンディングウーマンは高さ4mの巨大サイズです。

(写真は十和田市現代美術館の「スタンディングウーマン」(2007年)と私、昨年5月に撮影したもの)


ミュエクは寡作で知られていて、一つの作品に数か月から時には数年かけて、基本的には一人で(必要に応じてスタッフの手を借りて)制作しています。

30年ほどで作った作品は49、そのうち今回の展示会では11作品を見ることができます。

すべて撮影OK、私が撮った写真でご紹介します。


今回の展覧会で最初の部屋にあるのが「枝を持つ女」(2009年)。日本初公開。


裸の女性がたくさんの枝の束を抱えています。枝が地面につかないように体を反らせて、腕にはひっかき傷がある、どういう状況? 彼女は実際より少し小さめのスケール。どこかおとぎ話を思わせる光景ながら答えは与えられていません。

「鑑賞者それぞれが物語を紡ぐように誘うのです。」(森美術館のミュエク展HPより)


次の部屋にはベッドに寝ているとても巨大な女性。「イン・ベッド」(2005年)。


幅4m、長さ6.5m、後ろに写っているお客さんを見ると、その大きさがわかりますね。普通サイズの人間はここでは小人です。ガリバー旅行記の巨人の国に紛れ込んじゃった気分。ベッドの女性の表情は、何か物思いにふけっているようで、安らぎとかリラックスとかではない。何考えているんだろうと、あれこれ想像してしまいます。


ミュエクの制作風景を記録した写真のスペースには、ゴーディエ・ドゥブロンドによるスタジオでの制作風景の写真が展示されています。

「ロン・ミュエクのスタジオ、ロンドン、2005ー2013」と「ロン・ミュエクのスタジオ、ベントナー、2019ー2023」。各8点ずつ。


どの写真もとても素敵。

制作現場がすでにアートです。


展覧会の最後のところには、ドゥブロンドの撮ったビデオを鑑賞する部屋があって、そちらもとても興味深くて目が離せず、1時間ほどある映像を全部見ちゃいました。制作スタジオはスタッフの方がいてもとても静か、心地よい緊張感とリラックスした雰囲気が同時に存在する感じ。ずっと見ていたいと思いました。


「エンジェル」(1997年)。日本初公開。初期の代表作。


ふつうの人間よりは小さいサイズで作られています。その表情には陰りがあって、およそ天使のイメージからは遠い。落ち込んでる天使、諦めの天使、覇気のない天使、そんな言葉が浮かびます。

何を考え、何を諦めたんだろう、と想像が膨らみます。


この作品は外光を遮るスクリーンを下ろした部屋で展示されていますが、夜間はスクリーンを上げて東京の夜景を天使が眺めているようになるように置かれています。夜の東京を見てる天使を観たら、また違う顔が見られるかもしれませんね。




「ダーク・プレイス」(2018年)日本初公開。


真っ黒な入り口(ドア?)に近づくと、大きな男の人が浮かび上がっています。その顔はとてもリアルで苦悩に満ちているような、怖いような‥しばらく見ていると、こちらの心のうちがすべて見通されている気がしてきて、彼の顔が哲学的に見えてきて…。


鑑賞者は正面に立って覗き込むことしかできない。

あるアーティストは「闇そのものが作品の一部。」といっています。


ものすごーくインパクトのある作品です。



「チキン/マン」(2019年)日本初公開。


テーブルに向って座る下着姿の老人。テーブルの上に居る鶏と対峙しています。その間には半端ない緊張感が漂っていて、一体どうしたの?って思って釘付けになってしまいます。謎に満ちた一場面、まるでお話の中の1シーンみたい、続きが読みたくなります。

この老人はかなり小さなサイズです。(冒頭のビデオの写真でミュエクが抱いてるのがこの老人、そんな大きさです。)

私、なぜかこの作品の空気感に魅せられてしまいました。


「マスク」(2002年)


眠っている自分の顔を約4倍の大きさで表現。眉毛とか髭の毛、髭剃りあとの毛穴、目の周りや唇の皺、鼻のテカリ、とてつもなく細密。開きかけた唇がまさに眠っているみたい。ですがこの作品、正面だけのいわばお面です。後ろ側に回ると何もなくて、お面の裏側状態。


「この作品はミュエクの作品の特徴である現実と非現実の絶妙なバランスを見せる典型的な作品といえるでしょう。」(森美術館ミュエク展HPより)


「マス」(2016-2017年)日本初公開。会場に合わせて構成されたインスタレーション。


1つとして同じものがない100個の骸骨を、ミュエク自身が森美術館の会場の空間に合わせて構成しました。メルボルン、パリ、ミラノ、ソウルに次ぐ展示です。


マスは山のように積み重なったもの、大量のものや集団を表します。

頭蓋骨は1つ1つ全部異なっていて、だから個々人の集団と捉えられます。


また、頭蓋骨といえば「メメント・モリ」、死を忘れるな、この思想は西洋美術の中で繰り返し登場し、芸術・思想のみならず各ジャンルへ拡大しています。(ゲームにもあるしね。)

観客は頭蓋骨の山の中を歩き回りながら考えることになります。たくさんの骸骨、たくさんの死、死んだってどういうことか、死の尊厳とは? ならば生の尊厳とは?挙句の果てに、人間って何だろうと考えます。思いは尽きない。


「人間の頭骸骨は多義的な物体である。私たちがすぐにそれとわかる、力強く鮮烈なアイコン。見慣れたものでありながら奇異でもあり、私たちは拒絶しつつも、同時に魅きつけられる。無視することはできず、無意識のうちに私たちは注意を向けてしまうのである。~ロン・ミュエク」(森美術館 ロン・ミュエク展HPより)


「買い物中の女」(2013年)日本初公開。

この人もまた影がある、疲れてる、実際の赤ちゃんの重さと両手に下げた買い物の重さ、それ以上のものを抱えて必死そうです。

これはミュエクがロンドンのスタジオ近くで車の中から見た光景。信号待ちをする彼女を見て、駐車券の裏にスケッチしたものを基に作られた作品。彼女は普通の人間より小さいサイズです。


ロン・ミュエクの作品に明るい表情の人物はいません。みんな何かしら抱えていて思うところがありそう、だからこそ見る人の中にいろんな感情を巻き起こす契機となり、それぞれが自分の内側へ目を向けざるを得なくなる、だから面白い。


共通するのはとてつもなくリアルに作られていること。普通リアルなものって、写実絵画とか人形とか、何だか怖いじゃないですか。でもミュエクのリアルは怖くない。現実とファンタジーの境目が曖昧になって、それが心地よくて、魅力的。

とても不思議なこの感覚、ぜひ体験してみてください。


「ロン・ミュエク展」は、東京・六本木の森美術館で9月23日までです。(6月29日 水野佳)










2026年5月28日木曜日

初夏の旅~奈良から大津へ

 

新緑の美しい初夏の奈良から大津を旅してきました。今回の旅の目的は、特別公開の仏像を見ることと、今まで行きたいと思ってたけどまだ行っていないところに行くこと。

順にご紹介していきましょう。

(今回の旅の目的の一つは特別公開ですが、公開される仏像はほぼすべてが撮影不可です。なので、写真は私が撮った風景写真が中心です。これは新緑の春日大社。)



太東から朝6時台の電車に乗るとお昼頃奈良に着きます。午後は奈良市内の璉珹寺の特別公開を見に行くことにしました。璉珹寺の「本尊の阿弥陀如来立像(県指定文化財)は、光明皇后がモデルとされる白く美しい女人のお姿。下半身に袴を穿き上半身は肌を露にした白色裸形の像で、袴は50 年に1 度取り替えられます。また、脇侍の木造観音菩薩立像(重文)、木造勢至菩薩立像(重文)も特別に拝観できます。」(『祈りの回廊』より) 毎年5月のみの公開。3体とも美しくて見惚れてしまいます。

拝観後は、お寺の中のお茶所でお庭の花々を眺めながらお茶とお菓子をいただきました。夫は琵琶茶、私は甘木茶。ゆったりとした時間、ああ奈良に来たとしみじみ。



2日目は朝元興寺へ。何度も前は通ったことあるけど、敬遠して入らなかった、ならまちの中にある世界遺産。本最初の本格的伽藍である法興寺(飛鳥寺)が平城遷都にともなって、新築移転されたのが元興寺で、佛法元興の場、聖教最初の地と言われています。国宝の極楽堂、禅室、五重小塔や、重要文化財の曼陀羅、木造阿弥陀如来像や弘法大師像、聖徳太子像など文化財がずらり。

境内にはたくさんの石像が並んでいます。みんな違う顔。

そしてひっそりと静かです。この日は空いてたからかもしれないけど、すぐそこにならまちの喧騒とは思えない、なんで今まで来なかったんだろうと後悔したくらいでした。


元興寺にまつわるガゴゼの鬼伝説。

昔、農夫が天から落ちてきた雷神を助け、お礼に授かった怪力の子がいました。その子は元興寺の童子となりました。寺で、鐘楼で夜警をする少年が毎夜命を落とす怪異が起こった折、童子は真夜中に現れた鬼と死闘を繰り広げて鬼を退治し、後に立派な僧侶となりました。

ガゴゼ(漢字では元興神と書く)またはガゴジ(元興寺)とは、妖怪となって全国に広まった鬼のこと。語源はこのお寺にあるようです。もともと元興寺にいた悪鬼が、鬼を超える鬼神(善鬼)となって悪い鬼・邪気を払うという考えも。何かと鬼と関連深いお寺です。

元興寺の境内には、鬼伝説にちなんでユーモラスで小さなガゴゼの石像が数体潜んでいます。

境内をめぐっていると、ガゴゼ見つけました。実は、私たち、「なら不思議旅図鑑」というミニ番組で見て知ってました。あ、いた! なんか楽しいです。


さて、お昼は、奈良に来たら絶対行きたい「ピッツェリア・ルナノーヴァ」ヘ。ランチタイムは初めてです。ここはピザもお料理も本当に美味しい。今まで食べた中で一番かもしれません。ランチなのでサラダとピザとデザートをオーダー。ピザはマルゲリータと生クリームとチーズがベースのピザ。ウ~ンおいしい!美味!! 

写真は蒸し鶏と野菜のサラダ、ただモノじゃないおいしさです。

いつもは夜ワインを飲みながらお腹いっぱい食べちゃうので、デザートは食べられず、今回初めてでしたが、こちらも絶品です。絶対ふつうのティラミスじゃないし、普通のパンナコッタじゃない。奈良に行ったら行かなきゃ損、ですよ。


午後はバスツアーで岩船寺と浄瑠璃寺へ。どちらも秘仏公開中。

当尾の里は奈良のお隣ですが、厳密には京都府木津川市。かつて一度自力で行ったことあるけど、電車乗ってコミュニティバス乗って歩いて、と大変なので、今回はバスツアーを利用。午後だけの短いコースです。秘仏公開でツアー設定されてたみたいです。連休後の平日なのに、結構いっぱいでした。


山の中にひっそりと佇む岩船寺、秘仏・如意輪観音菩薩と弁財天、羅刹天を公開中。その他にも多数の仏像があり、仏像好きにはたまらない。ご本尊は平安時代の阿弥陀如来坐像(重要文化財)。

もうちょっとゆっくり見たかったけど…。



続いて浄瑠璃寺へ。バスはかなり大変そうな細い山道をくねくね行きます、さすがプロ。


浄瑠璃寺、別名九体寺。池の東側が此岸、三重塔に薬師如来が祀られています。西側が彼岸(極楽浄土)で本堂に九体阿弥陀如来が祀られています。御本堂の九体阿弥陀如来像は国宝。2023年に順次行われてきた修理が完成し、今は九体揃っています。前来たときは揃ってなかったけど、それでも圧倒されました。こんな山の中に、こんなすごい仏様がいるなんて、と感動したのを覚えています。九体揃ったら、圧倒的です。ほんとに素敵。今回は秘仏・吉祥天立像(重要文化財)が5月20日までで公開中。きれい。いつまででも見ていたい、と思いつつ、時間ぎりぎりまで本堂に居ました。



3日目は念願の春日山原始林を歩きました。一番短いコースだけど。

今まで天気悪かったり、暑かったり、寒かったり、何度か断念を繰り返して、やっと実現。今回はお天気も気候も良くてラッキー。これまた避けてきた春日大社、ここも結構いいじゃんと話しながら、遊歩道入り口を捜すのにちょっと苦戦。


原始林遊歩道に入ると‥素晴らしいです。ほんとに原始林、そこらじゅう大きな木だらけ、(当たり前か)原始の森、いいなぁぁ。時折後ろから来た人に追い越されながら、ゆっくりと歩きました。ずっと上り坂。立ち止まって森の空気を呼吸してまた歩く。森の恵みを全身に浴びながら。



しばらくすると、若草山の山頂に至る開けた場所に出ました。交番みたいなのがあって人がいて、何だかほっとする。

若草山は、鹿たち、遠足の子供達、山歩きの大人たちで賑わっていました。眺め良し。いい気持ち。

春日大社の水谷神社から入ったので、東大寺の裏の方の北ゲートへ降りる道を下りました。下る方が大変、足ガクガク。こっちの道は木がほとんどなくて、外人さんも多かったです。


午後は奈良国立博物館へ。

特別展「神仏の山吉野・大峯~蔵王権現にささげた祈りと美」開催中。かなり混んでました。

「山が連なる大自然、そこに神と仏が宿り、やがては修験道の聖地、そして桜の名所となった吉野・大峯」。(展覧会ホームページより)

役行者像や蔵王権現像が多数展示され、神像仏像、曼陀羅、鏡像、山岳信仰とそれにまつわる宝物の展示、見応えありました。

(写真は吉野大峯展で唯一撮影OKのロサンゼルスから里帰り中の木造蔵王権現像です。)


ここまで来たんだから仏像館も行かなくちゃと足を運びました。

相変わらず、仏像館は素晴らしい。前に来た時と展示内容が結構変わっていて、じっくり見たいところでしたが、もう疲れちゃって、適当に切り上げました。

充実した一日でした。

(仏像館には何点か写真OKの仏像があります。これは今回初めてのような気がする、新薬師寺の十一面観音立像。重要文化財、平安時代。新薬師寺と言えば十二神将、大好きです。何度も観に行ってます。新薬師寺そばの入江泰吉記念奈良市写真美術館もいいですよ~)



4日目は奈良から大津へ移動。


この日は、いつか行こうと思ってたシリーズの一つ、三井寺を訪れました。

三井寺とは通称で、正式には園城寺。天台宗の総本山。平安時代に造られて千二百年余、源平の争乱、南北朝の争乱による焼き討ちなど、幾多の苦難を乗り越えて今に至り、不死鳥の寺と言われています。三井の晩鐘でも有名です。


こちらでは「あお若葉・モミジの競演」と題して国宝・金堂の特別拝観を開催中。

三重塔のご本尊釈迦三尊像、毘沙門天像、不動明王像などが国宝の金堂内で拝観できます。




このお寺、ただただ美しい。

どこを切り取っても絵になります。

そのうえ素晴らしい文化財がたくさんあります。建物は国宝・重文だらけ、仏像も平安時代や鎌倉時代の重文がずらり。

ぐるっと回って半日はかかります。私たちはお昼からだったので、ちょっと時間が足りないくらいでした。

また来たいです。


そして5日目は、いよいよ比叡山延暦寺。これこそ長い間行こうと思いつつ、なかなかいけなかった地です。

比叡山には京都からのルートと琵琶湖側からのルートがあります。今回は行きは京都駅から比叡山直通バスで、帰りはケーブルで坂本へ下り、京阪線で大津へ帰るルートをとりました。


比叡山延暦寺、天台宗の総本山。京都と滋賀にまたがる比叡山を寺域とする日本仏教の聖地であり、世界遺産です。延暦寺は788年、最澄によって開かれました。何人もの仏教の要となる僧を世に送り出しています。鎌倉時代には武装化し一大勢力となり、織田信長の不興を買って焼き討ちにあい、全山の堂・塔・伽藍が消失。後に豊臣秀吉、徳川家康らによって再建されました。


現在の延暦寺は、東塔エリア、西塔エリア、横川エリアの3つのエリアに分かれ、それぞれに本堂があり、国宝・重要文化財も多数あります。

実は今回は東塔エリアしか回れませんでした。それも国宝の根本中堂(江戸時代のもの)は修復中だというのに。でも、ゆっくりたっぷり延暦寺を堪能してきました。三井寺が人の手が十分に入った美しさだとすれば、延暦寺は自然の中に在る美しさ。なんて言ったらいいのかな、自然への敬意を呼び覚ましてくれるような、山の霊気を、畏怖を感じさせるような独特の雰囲気。それなりに人がいたのですが、そんなこと気にならないし、東塔も阿弥陀堂も結構新しくて昭和にできたものなのですが、それも気にならない。全部ひっくるめて比叡山に抱かれてるからでしょうか。不思議です。


境内の一隅会館の地下にお蕎麦屋さんがあったので、お昼ご飯にいただきました。

私は温かい比叡山そば、夫は冷たい門前そば。関西風のおつゆだけどおいしいです。お蕎麦は関東風の濃い山車が絶対いいと思ってたけど、これもありかな。

こんな名前がついてると、格別の味のような気がしたり、旅の思い出になりますね。


このエリアにある国宝殿が素晴らしいものでした。


国宝、重要文化財、指定文化財60数件を含めて数百件の文化財が収納されています。

平安時代の千手観音立像、維摩居士坐像、薬師如来坐像、鎌倉時代の不動明王二童子立像、大黒天像、五大明王像…素晴らしい!

学芸員さんもちゃんと居て、阿弥陀如来の前に配置されていた十二神将について質問したら、丁寧に答えてくださいました。


阿弥陀堂から下を見ると、琵琶湖がちらと見えて、絶景です。




写経もしてきました。

実は三井寺では写経受付の時間を過ぎてしまっていて、残念と思っていたのですが、延暦寺は各お堂に筆ペンで写経のできるコーナーがあって、勝手に書いてそれを後から受付で納めるという形を取っていて、とても手軽です。

私は写経は初めて。(前に東大寺でやった時は写仏をしたので。夫はその時も写経だったから2度目。)薄く印刷されている字をちゃんとなぞらなくちゃと雑念が入って全然ダメ。写仏(仏様の絵を描く)だと、割と何も考えないでやれたんだけど。でも面白かったです。

またどこかで写経やりたいと思います。次は薬師寺かな、それとも當麻寺かな。

また奈良に行く楽しみが増えました。


翌日、在来線で米原まで行って、そこから新幹線で帰りました。

なんだかんだで5泊6日の初夏の旅、お天気にも恵まれ、人も少なくて、とても素敵な旅でした。

連休後の5月中旬、おススメです。(2026年5月28日 水野佳)


★仏像については、各お寺のHPを検索してみてください。画像が見られます。

★奈良県の観光課による「祈りの回廊」というサイトがあって、特別公開やイベントの日程が詳しく記されています。私はいつもこれを参考にしています。

 祈りの回廊 https://inori.nara-kankou.or.jp 

★元興寺のところで紹介した「奈良ふしぎ旅図鑑」はBS-TBSで毎週水曜日夜9:54~10:00、JR東海がやっているミニ番組。今の案内人は林遣都さん、その前は吉岡里帆さんでした。

この番組好きでいつも見ています。奈良旅の参考にもなって、

これ見て行ったところも多々あります。



ご近所グルメと商品券

  暑いですね。今年も、暑くてカフェはお休みにしました。 暑くても、おいしいものは食べたい、ちゃんと食べて頑張らなくちゃ、って思いますよね。 7月24日からカフェを夏休みにしたので、ふらっとご飯食べに行くこともできます。遠くに行くのは大変だけど、ご近所でちょっとなら。 というわけ...