2026年の夏、千葉は2度も大きな災害に見舞われました。
一つは先週、9月20日の台風25号。大きな被害をもたらして、まだ現在もその被害、影響は継続中です。
もう一つは8月13~14日の千葉集中豪雨。前代未聞の短時間豪雨による水害。凄かったです。新しい順に振り返ってみます。
まずは台風25号。台風による大雨、河川の氾濫による浸水被害多数、死者も現在10人(うち千葉で7人)。今回酷かった佐倉、木更津、市原、大多喜など、君津などではいまだに水が引いていかないところもあるようです。
停電も23日時点で5万件を超え、今日25日でも1万5千軒超、復旧見込みが立っていないところも多くあります。うちは大丈夫だったけど、いすみ市内でもまだ停電中のところがあり、宿泊施設でお風呂を開放したりしています。今回は(台風なのに)涼しかったからまだよかったものの、冷蔵庫とかどうなってるんだろうと心配、早く復旧することを願います。
台風が通り過ぎた後でも印旛沼の堤防決壊で浸水被害は拡大しています。土砂崩れにより、あちこちで道路は寸断、通行不能箇所多数。鉄道も止まりました。外房線は3日止まって運転再開になりましたが、内房線や小港鉄道などは復旧に数か月かかる所もあるとか。
8月の千葉集中豪雨でも大きな被害が出ました。死者13人、アンダーパスなどで車から出られなくなって亡くなった方も含まれます。こちらは気象庁が驚くほどの短時間で降った大雨、千葉市では1時間に115ミリ降りました。1万年に1度の大雨とも言われています。千葉市内など都市部中心に、動けなくなった車がたくさん出て、被災車両3万台超。帰宅困難者も1万人超え。自治体が急遽設定した帰宅困難者のための避難スペースや駅などで一夜を明かした人もたくさんいました。成田空港には7000人、JR蘇我駅では4000人が滞留。千葉県庁では推定1400~1800人が夜を明かしました。私の友人の高校生の娘さんも、千葉に映画を見に行って帰れなくなって駅で一晩過ごし、翌日ご家族が車で迎えに行ったそうです。みんなほんとに大変でした。
後にわかったことですが、発達した積乱雲の高さは15㎞に達し、それが房総半島に6時間もとどまって大雨になった、気象庁の人も驚く異例な集中豪雨だったようです。
電車のこと。
うちは外房線太東駅のすぐそば、車はないので、電車が止まるとどこにも行けません。先月の豪雨の後は全線運転再開まで10日もかかりました。今回は3日で済んだからよかったけど。
そもそも外房線は昔からよく止まるそうです。問題のポイントは土気(とけと読みます)と大網の間、そこが崩れて、修復して、を繰り返しているようです。よく崩れるのは、トンネルの大網側の出口付近。なんで?と思って調べたら、その要因は地形にもあることがわかりました。ここは千葉の地形が作ったボトルネック、昔から難所とされていた所らしい。土気の辺りは下総台地の外れの高台、大網は九十九里平野で低い土地、高低差が約90mあり、そこに急勾配・急カーブで線路を引いて斜面を固めた。大雨が降ると水がどんどんしみ込んで土の抵抗力が弱くなって崩れてしまうということらしい。そうか、それじゃ騙し騙し使っていくしかないのねと妙に納得しました。
今年はスーパーエルニーニョで、暑い時はすっごく暑かったし、台風も多いと言います。雨も多い気がします。
また台風もできたようで、まだまだ気が抜けません。気を付けて過ごしましょう。
どう気をつけたらいいのかわからないけど。
2026年の夏、プライベート編。
この夏のお出かけ、いくつか、遡りながら紹介しましょう。
8月の終わりに宇都宮美術館に「カンディンスキー世界は鳴りひびく」という展覧会を観に行きました。カンディンスキーと縁の深い3つの美術館、宇都宮美術館・宮城県美術館・長野県立美術館での巡回展。
カンディンスキー好きな私は、迷った挙句、えいっと行ってしまうことにしました。新幹線は使わずに、普通列車での旅。こういうの、なんかいいな。太東から上野経由で4時間ちょっと。宇都宮駅からバスで30分ほど。会期終了間際なので結構混んでます。
抽象絵画の先駆者とも呼ばれるワシリー・カンディンスキー。青騎士、ロシア、バウハウス、そしてパリ、その足跡を、国内にある彼の作品で辿る展覧会。
カンディンスキーと彼に纏わる作家の作品が展示されています。(例えばクレーとか、萬鉄五郎とか‥。その中で神原泰という大正時代の画家の作品が心に残りました。)
日本にこんなにカンディンスキーがあったのにびっくり。
芸術の本質を「内なる響き」と考え、神秘的な存在への憧れを持ちながら、形を描き、色を塗る喜びが感じられる、そんな作品の前に立ち、その世界に浸りながら感じる幸せ。
やっぱりカンディンスキー好きだなぁ。
残念ながら撮影不可なので、写真は購入した本から、「コンポジションX」1939年の作品。
同時に開催されていた特別展「佐藤時啓-光の記憶・時間をえがく」。
光と影、時間、をキーワードに撮影を続けている写真家佐藤時啓の作品と、宇都宮美術館の所蔵作品をコラボさせたインスタレーション。
例えば松本俊介の絵画「街」と佐藤の撮ったビルの街。ある部屋には青木野枝の巨大な鉄のオブジェがあったり、高橋由一やルネ・マグリットの絵があったり。面白いです。
写真はチラシから。「An Hour Exposure 1992 / 2017 Tokyo-Akihabara」2017年。
感覚が刺激されます。宇都宮美術館、いい美術館です。
せっかく宇都宮に来たんだからと、翌日は大谷資料館へ足を運びました。駅からバスで30分ほど。
大谷石の採掘場跡がミュージアムになっています。
そこは、地下の広大で幻想的なスペース。広さは2万㎡もあるそうです。外の温度が30℃を超えていても、地下スペースは年間通じて8℃くらい。ひんやりというか寒いくらい。その温度を利用して倉庫として使われ、政府のお米を預かったこともあるとか。戦時中は軍事工場だったことも。
大谷石というのは宇都宮市大谷の一帯から採掘される流紋岩質の緑色凝灰岩の総称。軽くてやわらく、加工がしやすいので、昔から壁や土蔵に使われてきました。
フランク・ロイド設計の旧帝国ホテルの外壁で有名です。
大谷石の採掘は江戸時代中期から。ツルハシでの手掘りでした。壁にはツルハシの跡がしっかりと残っています。
機械化されたのは昭和34年ごろというから驚きます。
すごい!
ライトアップされた坑内はまるで異空間。どこか違う世界に紛れ込んでしまったかのよう。
だから映画やドラマの撮影によく利用されています。能やバレエの公演、ファッションショーや美術展なども行われてきました。結婚式場としても使えます。一般の方もOK。教会ゾーンというエリアがあり、フォトウェディングや特別な撮影の時にのみ使われます。
観光客も多い。平日でもしょっちゅう観光バスが来て、遠足の子どもたちが来たり。賑わっていました。のんびりペースの私たちは、団体客をやり過ごしながら、ゆっくりとこの夢幻空間を満喫してきました。
おまけ
宇都宮といえば餃子。町なかには餃子のフードコートみたいなのがあるのですが、私達が泊まったのはJR宇都宮駅近くのホテル。こっちにもあるかなとみてみたら、駅直結のビルの中などに、餃子屋さんいくつもありました。なので食べ比べしちゃいました。宇都宮餃子って普通というイメージでしたが、結構おいしい。なるほど有名なだけはある、もっとはかのお店も食べてみたいと思いました。
遡って7月の終わり。東京国立博物館・平成館で開催された「空海と真言の名宝」展に行ってきました。
これは素晴らしい展覧会でした。空海ゆかりの名宝、仏画や曼陀羅図、絵巻、仏具‥国宝・重文だらけ。仏像もたくさんあって、仏像大好きな私はわーぁぁとなって…。第2会場には秘仏がずらりと並び圧巻でした。2回は行かなくちゃと言って自分用にチケットを2枚買った友達もいます。私も近かったらもう1回行きたいくらい、そんな展覧会でした。
こちらもほとんどは撮影不可。写真OKは一部屋のみ。その仏像を載せておきます。
山梨・放光寺の愛染明王坐像(重要文化財、平安時代)と、京都・安祥寺の五智如来坐像(国宝、平安時代)。
最後に。
先日「時には懺悔を」という映画を見ました。
8月末に公開された2つの障害に纏わる映画、当初見ようと思っていたのは「平行と垂直」という自閉症の兄妹の映画。ですが、ある人の評論を読んで「時には懺悔を」を見よう!と急遽変更しました。彼によると、「平行と垂直」は障害を『理解する』映画、「時には懺悔を」は人間が『わからなくなる』映画。圧倒的におもしろかったのは後者であると。
「時には懺悔を」は殺害された同僚(佐藤二郎)の事件とその同僚が関わっていた9年前の新生児誘拐事件を追う探偵の話。誘拐された子供が水頭症で二分脊椎の障害児。それをずっと育ててきた誘拐犯(工藤官九郎)、探さなかったのに今更捜し始めた実母(黒木華)、重い過去を持つ酔っ払いの探偵(西島秀俊)、精神病院に入院している彼の妻(柴咲コウ)、自分の娘とうまく関係を結べない探偵助手の女(満島ひかり)、様々な人間が絡みあう。その中心にいる障害を持った子ども。映画は実際に障害児を使って撮影されていて、複数の障害児が登場しますが、過度な思い入れもなく、彼らの日常風景は淡々と描かれています。それがすごくいい。理解を求める説明より、訴えかけるものは大きい。私は個人的に、似たような状態の障害児とかかわったことがあるので、人ごととは思えませんでした。それぞれに残るもの、変わるもの変わらないもの、映画の登場人物と同じように、観客の側にもいろいろ余韻を残す映画です。
この2つの映画、あっという間にロードショーは終わりつつあり、手軽に見に行ける状況ではなくなってしまいましたが、機会があれば「平行と垂直」も観たいと思っています。
さて、長い夏休みを終えてカフェは再開、ブログも再開です。
無理せず、マイペースでやっていこうと思います。これからもよろしくお願いします。
(2026年9月25日 水野佳)
*参考:映画についての、とある人の批評というのは、アサダワタルさんのnoteへの投稿(2026年9月8日)です。































