2024年4月27日土曜日

新生・炎の雫

「炎の雫」新しくなりました。

東ティモールコーヒーから自家焙煎コーヒーへ。コーヒーの銘柄を増やして、カフェでも飲めるし、豆の販売でもご購入いただけるようになりました。

ラインナップに加わったのは、タンザニア・コロンビア・メキシコ・グァテマラ・エチオピアシダモの5種類。

また、焙煎度も今までの4種類・中浅煎り(ハイロースト)、中煎り(シティロースト)、中深煎り(フルシティロースト)、深煎り(フレンチロースト)に加えて、イタリアンロースト・極深煎りも始めました。豆の購入では5種の焙煎度から指定していただけます。深煎り好きの方には朗報かも。

ことの発端は、東ティモール生豆の売り切れです。3月の初めに、いつも通りパルシックに生豆の発注をかけたところ、2月末でほぼ売り切れというお返事が来ました。びっくりしました。え、今の時期で売り切れ?何それ、えーどうしよう??この先の見通しを聞くと、次の入荷は今年の収穫後で秋になるとのこと、これは大変です。てんやわんやの始まりでした。

まずはベイスのネットショップで豆の注文を止めなくちゃ。すべての在庫を0にして「東ティモールコーヒー今期売り切れ」と出しました。それからどうするかを考え始めました。まずは常連のお客様に事情を連絡、定期的に買ってくださっている方もいるし、炎の雫のコーヒーをお店で出してくださっているところもいくつかある。そういう方たちが困らないように何とかしなくっちゃ。東ティモールコーヒーを扱っている卸販売の店や、パルシックとは別のNPO にも聞いてみたけど、どこも在庫なし。いろいろ考えた挙句、ティモール以外のコーヒーを入れるしかないとの結論に達しました。

ここから壮大な実験の日々が始まりました。
以前からとある珈琲豆屋さんで、東ティモール以外の豆をごく少量ずつ仕入れて、カフェで出したりしていました。いろいろ探してみましたが、そこで仕入れるのが一番よさそうです。今までは個人で登録して買っていましたが、この際だから10㎏以上の購入を条件とするサイトの方に会員登録することにしました。こうすることで価格が少し安くなります。パルシックの東ティモール生豆価格より高いけれど、スタンダードクラスの豆ならそれほど価格を上げずにできそうです。値段は大事です。いきなり値段が倍になったりしたら、もう買えないって思いますよね。去年値上げしたところだし、なるべく近い値段でと思ったのですが、結果的に100g50円、250gでは100円upで納めることに。

生豆を購入して、飲み比べの日々が始まりました。まずはそれぞれがどんな味なのかを知るために、とりあえず中煎りにして、いつもの松屋式で淹れて飲んでみます。松屋式はスッキリして雑味が出にくい、裏返すとみんな美味しいような気がして、飲み比べていくうちによくわからなくなってきます。
他の抽出方法だったらどうなの? 一般の方はカリタ? それともハリオ? 味がストレートにわかるのはフレンチプレス? サイフォンでも淹れてみようか? いろいろやるほど混沌としてきます。(うちにはコーヒーメーカーはないから除外、コーヒーメーカーの人が多いような気もするけど。)
次に、同じ銘柄でどの焙煎度がいいかの実験。一般的に言われてるような、例えばタンザニアだったら浅め、グァテマラだったら深めで焙煎というのから始めて、でもタンザニアの深めってどう? グァテマラの中浅は? なんて言いつつ、結局ほぼ網羅しました。
その中で、これはあんまりおすすめじゃないな(コロンビアやメキシコの中浅とか、タンザニアの深煎りとか)というのを除いて、次は同じ焙煎度での飲み比べ。中浅だったらタンザニアとシダモを並べて飲む。すると酸味の質が全然違うことに気づく。よく言われるシトラスとベリー、タンザニアが柑橘系ならシダモがベリー系なんだ、なるほどね。深煎りは、コロンビアとメキシコとグァテマラを並べて飲んでみる。コロンビアには独特の酸味が出るし、メキシコには甘みが。グァテマラはコクが出る。おもしろい。

だいたい決まってきたところで、友人にサンプルを送って味見してもらうことにしました。それぞれの好みに合った焙煎度の数種類を送って感想をもらいます。感じ方は人それぞれ、好みもあるし。簡単な感想から、東ティモールとの違いを表にして送ってくれた友達もいました。そういう友人がいるって有難いですね。ご近所の常連さんにもお願いしました。ご協力くださった方、ありがとうございます。

水出しコーヒーの実験も結構しました。今まで東ティモールの深煎りだけで作っていた水出しコーヒー、いろいろ試す中で、総じて言えるのはどの銘柄の深煎りもティモールよりまろやかというかおとなしいということ。水出しにすると物足りない。それでブレンドしようとなり、その配合に試行錯誤。不思議なことに、深煎りだけを混ぜるより、一部中深煎りを混ぜる方がなぜか苦みが出る。本当に不思議。それで深煎り2種と中深1種のブレンドにすることにしたけれど、それでもまだおとなしい。そこで極深煎りを作ってみようとなりました。いわゆるイタリアンロースト。それを混ぜて、一応水出し用の豆は決まり。東ティモールのとは違うけどね。極深煎りはグァテマラとメキシコの2種にしました。ブレンドじゃなくて単体での購入も可です。深くなきゃコーヒー飲んでる気がしないという方、ぜひ飲んでみてください。

さて、東ティモールの豆がないなら、中心とするのは何か、と考えたら、それはブレンドでしょう。豆の特徴や焙煎度をある程度把握したら、次に考えるべきはブレンドの配合。どういう味を美味しいと思うのかは人によって全然違うから、本当に難しい。これも相当いろいろやってみました。で結局のところ、これにする! って決めちゃうしかないという結論に達しました。ブレンドは少し前から東ティモールに他の豆を足す形で、ライトブレンドとビターブレンドを作っていましたが、それを受け継いで東ティモール抜きで考えました。ライトは中浅煎りと中煎りの豆3種類(今のところ中心はタンザニア)、ビターは深煎りと中深煎りの豆3種類(今のところ中心はグァテマラ)をブレンドすることにしました。実はまだ実験中。こっちの方がいいと思ったら変わるかもしれません。

ドリップバッグも考えなくちゃなりません。今まではレギュラーがティモールの中浅煎り、Fが深煎り。それをベイスに出していて、ご注文に応じて中や中深でもDB作っていました。初めは味の似てるもので単銘柄で作りたいと思っていましたが、それは無理と諦めて、DBはブレンドで作る2種にしようと決めました。これも、いつもDB買ってくれてる友達に試作品を送って飲み比べて貰ったり、アドバイスもらったりして。そこでハタと気付いたのが、外側の問題。「Timor Coffee Drip Bag」と書いてあるので、スタンプ変えなくちゃ。で「炎の雫 DRIP BAG」として「ライト」「ビター」のスタンプ押すことにしました。(ライトとビターは消しゴムスタンプまだ作ってなくて、ブレンドのスタンプを流用しました。)

この辺りでベイスのネットショップを再開。ラインナップに5種のコーヒーを加えてリニューアルオープン。写真撮って商品新規で追加して説明文書いて、かなりめんどくさい。あ、店名に東ティモールコーヒーと入れちゃってるのでそれではまずい、と「自家焙煎コーヒー炎の雫」に変更。え、そうするとリーフレットも変えなきゃということに思い至りました。うちのリーフレット、見たことある方はわかると思いますが、ほぼ東ティモールに特化されてます。表紙は東ティモールコーヒーだし、中身は、東ティモールコーヒーについて、東ティモールってどんな国?、パルシックのことなど。東ティモールコーヒーなしでこのリーフレットつけられない、作らなくっちゃとなりました。ついでに、取り扱い始めたコーヒーの簡単な特徴や値段を書いたチラシも作らなきゃ、ああ、際限もなくやることがあります。
これもまた一筋縄ではいかなくて、絵を描くところから始まって、内容考えて、レイアウトして、アスクルに入稿しようとしたらトラブって……と四苦八苦。ようやくできたが冒頭の写真です。あー疲れた。それにしても、最近のチラシ印刷すごいですね。プリンターのインク買うより安いし、時間がかかってよければどんどん安くなるし。

そして、昨日、ようやくカフェのメニューの変更に着手。
今までなかったコーヒーを載せるからには説明も必要だよね、これはチラシをベースに書くことにします。
ちなみにこのチラシは、愛知県のフレーバーコーヒー改めコーヒープロのコーヒーメニューのチラシを参考にして作りました。松屋式の伝道師ともいうべきお店です。

余談ですが、昨日コーヒープロのユーチューブチャンネルで、フレーバーコーヒーの値上げに伴うコーヒー事情及びこれからの見通しについて語っていました。コーヒーの価格は上がり続ける、少なくともこの秋までは下がる要素は全くないとか、2050年を待たずに普通の人が普通にコーヒーを飲めない時代がやってくるとか、悲観的な内容でしたが、とてもためになる話でした。

何はともあれ、どうにか連休に間に合って、これで一応の変更作業終了!
新生・炎の雫が焙煎し始めたコーヒー銘柄それぞれについては、追々書きたいと思います。

怒涛のような2ヶ月、コーヒー三昧の日々でした。
でもね、いろんな試行錯誤、実験はまだまだ続きます。(2024年4月27日 佳)











 

新生・炎の雫

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