2015年10月27日火曜日

太東での初ライブ

 

ライブ報告 いとうたかお 20151026

10月26日、太東に来て初めての本格的ライブをやりました。

いとうたかおさん、通称ペケ、名古屋のベテラン実力派シンガーです。2週間ほど前からツアーに出ていて、東北の方から南下してきた最終日に当たりました。

私は聞いたことがなく、とてもいいよ~という噂もあって、楽しみにしていました。

炎の雫でのライブは、基本生音・生歌です。小さな空間で、目の前にいるお客様に伝えるのに、電気的に増幅する必要はないと私は思っています。そして、できればワンマンで、じっくりとその人の世界を聞かせてほしい。その人の作り上げる世界を堪能したい。(場合によっては、ツーマンだったりもするけれど)

ライブのみならず、生のパフォーマンスというのは、観る側にとっては非日常の時間です。そこは、特別な空気の感じられる特別な場。明日から生きていくための糧になる、そんな場であってほしい。そのためには、演る側は、本気で、真摯であってほしいと思います。炎の雫ではそういうライブをやっていきたい、何かを伝えたいと本気で思っている人に歌ってほしいと思っています。


そんな思いでやってきたこの3年、いくつかの素敵な出会いがありました。

そして、太東での初ライブ、私の思っていたことをそのままに、いとうたかおさんは素晴らしいライブを見せてくださいました。ギター1本で、言葉を紡いでいく。気がつけば、もうそこはいとうたかおの世界に変わっている。いつのまにか耳を澄まし、言葉を逃すまいと思いながら聞く自分がいました。彼自身の歌も、また、中原中也の詩やさかうえけんいちさんの詩を歌った曲も、古いシャンソンの反戦歌も、等しく彼の世界のディテールとなっている。彼には歌いたいことがあり、伝えたいことがあるとはっきりわかります。それこそが表現するということ、人に提示するものを持って、伝えたいことを伝えるために己を研磨して、その準備を整えて人前に立っている本物の表現者だと感じました。ただ自分が発散するために、自己満足のために音を出しているミュージシャンもどきが多い中で、こういうパフォーマンスを見せてくれる人に出会えると、本当にうれしくなります。

私にとってもう一つ嬉しかったのは、最後の方で水野がギターで参加させていただいたこと。ご存じのように、去年の12月に脳出血で入院してから、左手の親指が思うように動かないらしく、それ以来何度かライブでも、素人の私でもあちゃ、と思うような場面がありました。それが、この日の伊藤さんのライブでのギターは、久しぶりに思いっきり弾けている様に見えました。そして、何より、ステージの上での2人のやり取りが見えるパフォーマンスだったこと。いとうさんは水野のギターを聞きながら、歌のニュアンスを作り、盛り上げていく。水野は相手が何をどう歌うかを見ながら、それに対応していくギターを弾く、それができる水野であったことが本当にうれしかった。これこそが、生の醍醐味ですよね。そして、お客様も、ちゃんと聞き、ちゃんと感じて下さって、演奏者と観客が共にその空間を構成しているのだと感じられる、いいライブになったと思います。


これからも、こういう素敵なライブを見たい、感じたいと思っています。そのつもりで企画を考えていきます。

12月23日(水・祝)にやってくる「やなぎ」も、独自の世界を持ったミュージシャンの一人、私の大好きなシンガーです。そして水野の命の恩人でもあります。(水野の脳出血を発見したというか、変だから病院に行こうと言って車で連れて行ってくれたのがやなぎさんです)

 外房のシンガーソングエンジニア・網野まことさんと共演していただくことにしました。どうぞ楽しみにしていてください。 (佳)


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