2026年5月28日木曜日

初夏の旅~奈良から大津へ

 

新緑の美しい初夏の奈良から大津を旅してきました。今回の旅の目的は、特別公開の仏像を見ることと、今まで行きたいと思ってたけどまだ行っていないところに行くこと。

順にご紹介していきましょう。

(今回の旅の目的の一つは特別公開ですが、公開される仏像はほぼすべてが撮影不可です。なので、写真は私が撮った風景写真が中心です。これは新緑の春日大社。)



太東から朝6時台の電車に乗るとお昼頃奈良に着きます。午後は奈良市内の璉珹寺の特別公開を見に行くことにしました。璉珹寺の「本尊の阿弥陀如来立像(県指定文化財)は、光明皇后がモデルとされる白く美しい女人のお姿。下半身に袴を穿き上半身は肌を露にした白色裸形の像で、袴は50 年に1 度取り替えられます。また、脇侍の木造観音菩薩立像(重文)、木造勢至菩薩立像(重文)も特別に拝観できます。」(『祈りの回廊』より) 毎年5月のみの公開。3体とも美しくて見惚れてしまいます。

拝観後は、お寺の中のお茶所でお庭の花々を眺めながらお茶とお菓子をいただきました。夫は琵琶茶、私は甘木茶。ゆったりとした時間、ああ奈良に来たとしみじみ。



2日目は朝元興寺へ。何度も前は通ったことあるけど、敬遠して入らなかった、ならまちの中にある世界遺産。本最初の本格的伽藍である法興寺(飛鳥寺)が平城遷都にともなって、新築移転されたのが元興寺で、佛法元興の場、聖教最初の地と言われています。国宝の極楽堂、禅室、五重小塔や、重要文化財の曼陀羅、木造阿弥陀如来像や弘法大師像、聖徳太子像など文化財がずらり。

境内にはたくさんの石像が並んでいます。みんな違う顔。

そしてひっそりと静かです。この日は空いてたからかもしれないけど、すぐそこにならまちの喧騒とは思えない、なんで今まで来なかったんだろうと後悔したくらいでした。


元興寺にまつわるガゴゼの鬼伝説。

昔、農夫が天から落ちてきた雷神を助け、お礼に授かった怪力の子がいました。その子は元興寺の童子となりました。寺で、鐘楼で夜警をする少年が毎夜命を落とす怪異が起こった折、童子は真夜中に現れた鬼と死闘を繰り広げて鬼を退治し、後に立派な僧侶となりました。

ガゴゼ(漢字では元興神と書く)またはガゴジ(元興寺)とは、妖怪となって全国に広まった鬼のこと。語源はこのお寺にあるようです。もともと元興寺にいた悪鬼が、鬼を超える鬼神(善鬼)となって悪い鬼・邪気を払うという考えも。何かと鬼と関連深いお寺です。

元興寺の境内には、鬼伝説にちなんでユーモラスで小さなガゴゼの石像が数体潜んでいます。

境内をめぐっていると、ガゴゼ見つけました。実は、私たち、「なら不思議旅図鑑」というミニ番組で見て知ってました。あ、いた! なんか楽しいです。


さて、お昼は、奈良に来たら絶対行きたい「ピッツェリア・ルナノーヴァ」ヘ。ランチタイムは初めてです。ここはピザもお料理も本当に美味しい。今まで食べた中で一番かもしれません。ランチなのでサラダとピザとデザートをオーダー。ピザはマルゲリータと生クリームとチーズがベースのピザ。ウ~ンおいしい!美味!! 

写真は蒸し鶏と野菜のサラダ、ただモノじゃないおいしさです。

いつもは夜ワインを飲みながらお腹いっぱい食べちゃうので、ザートは食べられず、今回初めてでしたが、こちらも絶品です。絶対ふつうのティラミスじゃないし、普通のパンナコッタじゃない。奈良に行ったら行かなきゃ損、ですよ。


午後はバスツアーで岩船寺と浄瑠璃寺へ。どちらも秘仏公開中。

当尾の里は奈良のお隣ですが、厳密には京都府木津川市。かつて一度自力で行ったことあるけど、電車乗ってコミュニティバス乗って歩いて、と大変なので、今回はバスツアーを利用。午後だけの短いコースです。秘仏公開でツアー設定されてたみたいです。連休後の平日なのに、結構いっぱいでした。


山の中にひっそりと佇む岩船寺、秘仏・如意輪観音菩薩と弁財天、羅刹天を公開中。その他にも多数の仏像があり、仏像好きにはたまらない。ご本尊は平安時代の阿弥陀如来坐像(重要文化財)。

もうちょっとゆっくり見たかったけど…。



続いて浄瑠璃寺へ。バスはかなり大変そうな細い山道をくねくね行きます、さすがプロ。


浄瑠璃寺、別名九体寺。池の東側が此岸、三重塔に薬師如来が祀られています。西側が彼岸(極楽浄土)で本堂に九体阿弥陀如来が祀られています。御本堂の九体阿弥陀如来像は国宝。2023年に順次行われてきた修理が完成し、今は九体揃っています。前来たときは揃ってなかったけど、それでも圧倒されました。こんな山の中に、こんなすごい仏様がいるなんて、と感動したのを覚えています。九体揃ったら、圧倒的です。ほんとに素敵。今回は秘仏・吉祥天立像(重要文化財)が5月20日までで公開中。きれい。いつまででも見ていたい、と思いつつ、時間ぎりぎりまで本堂に居ました。



3日目は念願の春日山原始林を歩きました。一番短いコースだけど。

今まで天気悪かったり、暑かったり、寒かったり、何度か断念を繰り返して、やっと実現。今回はお天気も気候も良くてラッキー。これまた避けてきた春日大社、ここも結構いいじゃんと話しながら、遊歩道入り口を捜すのにちょっと苦戦。


原始林遊歩道に入ると‥素晴らしいです。ほんとに原始林、そこらじゅう大きな木だらけ、(当たり前か)原始の森、いいなぁぁ。時折後ろから来た人に追い越されながら、ゆっくりと歩きました。ずっと上り坂。立ち止まって森の空気を呼吸してまた歩く。森の恵みを全身に浴びながら。



しばらくすると、若草山の山頂に至る開けた場所に出ました。交番みたいなのがあって人がいて、何だかほっとする。

若草山は、鹿たち、遠足の子供達、山歩きの大人たちで賑わっていました。眺め良し。いい気持ち。

春日大社の水谷神社から入ったので、東大寺の裏の方の北ゲートへ降りる道を下りました。下る方が大変、足ガクガク。こっちの道は木がほとんどなくて、外人さんも多かったです。


午後は奈良国立博物館へ。

特別展「神仏の山吉野・大峯~蔵王権現にささげた祈りと美」開催中。かなり混んでました。

「山が連なる大自然、そこに神と仏が宿り、やがては修験道の聖地、そして桜の名所となった吉野・大峯」。(展覧会ホームページより)

役行者像や蔵王権現像が多数展示され、神像仏像、曼陀羅、鏡像、山岳信仰とそれにまつわる宝物の展示、見応えありました。

(写真は吉野大峯展で唯一撮影OKのロサンゼルスから里帰り中の木造蔵王権現像です。)


ここまで来たんだから仏像館も行かなくちゃと足を運びました。

相変わらず、仏像館は素晴らしい。前に来た時と展示内容が結構変わっていて、じっくり見たいところでしたが、もう疲れちゃって、適当に切り上げました。

充実した一日でした。

(仏像館には何点か写真OKの仏像があります。これは今回初めてのような気がする、新薬師寺の十一面観音立像。重要文化財、平安時代。新薬師寺と言えば十二神将、大好きです。何度も観に行ってます。新薬師寺そばの入江泰吉記念奈良市写真美術館もいいですよ~)



4日目は奈良から大津へ移動。


この日は、いつか行こうと思ってたシリーズの一つ、三井寺を訪れました。

三井寺とは通称で、正式には園城寺。天台宗の総本山。平安時代に造られて千二百年余、源平の争乱、南北朝の争乱による焼き討ちなど、幾多の苦難を乗り越えて今に至り、不死鳥の寺と言われています。三井の晩鐘でも有名です。


こちらでは「あお若葉・モミジの競演」と題して国宝・金堂の特別拝観を開催中。

三重塔のご本尊釈迦三尊像、毘沙門天像、不動明王像などが国宝の金堂内で拝観できます。




このお寺、ただただ美しい。

どこを切り取っても絵になります。

そのうえ素晴らしい文化財がたくさんあります。建物は国宝・重文だらけ、仏像も平安時代や鎌倉時代の重文がずらり。

ぐるっと回って半日はかかります。私たちはお昼からだったので、ちょっと時間が足りないくらいでした。

また来たいです。


そして5日目は、いよいよ比叡山延暦寺。これこそ長い間行こうと思いつつ、なかなかいけなかった地です。

比叡山には京都からのルートと琵琶湖側からのルートがあります。今回は行きは京都駅から比叡山直通バスで、帰りはケーブルで坂本へ下り、京阪線で大津へ帰るルートをとりました。


比叡山延暦寺、天台宗の総本山。京都と滋賀にまたがる比叡山を寺域とする日本仏教の聖地であり、世界遺産です。延暦寺は788年、最澄によって開かれました。何人もの仏教の要となる僧を世に送り出しています。鎌倉時代には武装化し一大勢力となり、織田信長の不興を買って焼き討ちにあい、全山の堂・塔・伽藍が消失。後に豊臣秀吉、徳川家康らによって再建されました。


現在の延暦寺は、東塔エリア、西塔エリア、横川エリアの3つのエリアに分かれ、それぞれに本堂があり、国宝・重要文化財も多数あります。

実は今回は東塔エリアしか回れませんでした。それも国宝の根本中堂(江戸時代のもの)は修復中だというのに。でも、ゆっくりたっぷり延暦寺を堪能してきました。三井寺が人の手が十分に入った美しさだとすれば、延暦寺は自然の中に在る美しさ。なんて言ったらいいのかな、自然への敬意を呼び覚ましてくれるような、山の霊気を、畏怖を感じさせるような独特の雰囲気。それなりに人がいたのですが、そんなこと気にならないし、東塔も阿弥陀堂も結構新しくて昭和にできたものなのですが、それも気にならない。全部ひっくるめて比叡山に抱かれてるからでしょうか。不思議です。


境内の一隅会館の地下にお蕎麦屋さんがあったので、お昼ご飯にいただきました。

私は温かい比叡山そば、夫は冷たい門前そば。関西風のおつゆだけどおいしいです。お蕎麦は関東風の濃い山車が絶対いいと思ってたけど、これもありかな。

こんな名前がついてると、格別の味のような気がしたり、旅の思い出になりますね。


このエリアにある国宝殿が素晴らしいものでした。


国宝、重要文化財、指定文化財60数件を含めて数百件の文化財が収納されています。

平安時代の千手観音立像、維摩居士坐像、薬師如来坐像、鎌倉時代の不動明王二童子立像、大黒天像、五大明王像…素晴らしい!

学芸員さんもちゃんと居て、阿弥陀如来の前に配置されていた十二神将について質問したら、丁寧に答えてくださいました。


阿弥陀堂から下を見ると、琵琶湖がちらと見えて、絶景です。




写経もしてきました。

実は三井寺では写経受付の時間を過ぎてしまっていて、残念と思っていたのですが、延暦寺は各お堂に筆ペンで写経のできるコーナーがあって、勝手に書いてそれを後から受付で納めるという形を取っていて、とても手軽です。

私は写経は初めて。(前に東大寺でやった時は写仏をしたので。夫はその時も写経だったから2度目。)薄く印刷されている字をちゃんとなぞらなくちゃと雑念が入って全然ダメ。写仏(仏様の絵を描く)だと、割と何も考えないでやれたんだけど。でも面白かったです。

またどこかで写経やりたいと思います。次は薬師寺かな、それとも當麻寺かな。

また奈良に行く楽しみが増えました。


翌日、在来線で米原まで行って、そこから新幹線で帰りました。

なんだかんだで5泊6日の初夏の旅、お天気にも恵まれ、人も少なくて、とても素敵な旅でした。

連休後の5月中旬、おススメです。(2026年5月28日 水野佳)


★仏像については、各お寺のHPを検索してみてください。画像が見られます。

★奈良県の観光課による「祈りの回廊」というサイトがあって、特別公開やイベントの日程が詳しく記されています。私はいつもこれを参考にしています。

 祈りの回廊 https://inori.nara-kankou.or.jp 

★元興寺のところで紹介した「奈良ふしぎ旅図鑑」はBS-TBSで毎週水曜日夜9:54~10:00、JR東海がやっているミニ番組。今の案内人は林遣都さん、その前は吉岡里帆さんでした。

この番組好きでいつも見ています。奈良旅の参考にもなって、

これ見て行ったところも多々あります。



0 件のコメント:

コメントを投稿

初夏の旅~奈良から大津へ

  新緑の美しい初夏の奈良から大津を旅してきました。今回の旅の目的は、特別公開の仏像を見ることと、今まで行きたいと思ってたけどまだ行っていないところに行くこと。 順にご紹介していきましょう。 (今回の旅の目的の一つは特別公開ですが、公開される仏像はほぼすべてが撮影不可です。なので...