この2つの日付、なんの日か知っていますか?
3月21日は世界ダウン症の日、4月2日は世界自閉症啓発デー、どちらも国連が定めたもの。日本では4月2~8日までの1週間は発達障害啓発週間ともなっています。
3月21日、全国各地で行われたライトアップ。これは東京都庁です。ダウン症カラーのブルーとイエローにライトアップされました。
ブルーは「信頼・安心・つながりを、イエローは「希望・前向きさ・あたたかさ」を象徴しています。ダウン症の人たちが社会の中で大切な存在であることを可視化する世界共通のアクションです。
今年2026年の国際ダウン症連合のテーマは「Together Agaist Loneliness」日本では「ひとりじゃないよ」~孤独に立ち向かうために、共に~と表現され、各地でダウン症への理解を深めるためのイベントや行事が行われています。
ダウン症候群、21トリソミーは染色体異常。通常は23対46本ある染色体のうち、21番目の染色体が1本多くて3本ある、だから3月21日と定められました。ダウン症の人は800~1000人に一人程度産まれ、日本では8万人くらいのダウン症の人が生活しています。
ダウン症の人は、特徴的な顔立ち、体が柔らかく(筋肉の緊張低下)言葉や知的発達がゆっくりで心臓病などの合併症を持っていることが多く、難聴や斜視など感覚器の障害もある場合が多々あります。かつては20歳まで生きられないと言われていましたが、近年医学的社会的な環境の向上に伴い、飛躍的に寿命は延びて、ダウン症の人の寿命は今は60歳くらいになっているそうです。
最近は様々な分野でダウン症の人が活躍しています。
ちょっと前はダウン症の書道家金沢翔子さんくらいしか知らなかったけど、芸人さんとか俳優さんとかモデルさんとか、いろんなニュースを耳にします。
例えば、俳優の吉田葵さん、タレントのあべけん太さん、パリコレにモデルとして出た菜桜さん…。
私が思うに、ダウン症の人は明るくて積極的に前に立ちたがリ、結果人気者になってることが多いので、どんどんやればいいんじゃないかな。
一方4月2日は世界自閉症啓発デーです。世界各地でランドマークがブルーにライトアップされ、自閉症を理解してもらうための様々な取り組みが行われます。日本でも東京タワーはブルーにライトアップされます。(写真は2025年)。他にも、横浜の大観覧車、大阪城、姫路城、岡山城、熊本城、函館の五稜郭、札幌テレビ塔などなど、千葉ではポートタワーが青く染まります。
なぜブルーかというと、自閉症のシンボルカラーがブルーだから。神経を落ち着かせる青は安らぎの象徴であり癒しと希望の色、自閉症の人になぜか青を好む人が多いからでもあります。
2026年、今年のテーマは「ちがいはちから、つながりは未来」。
以前は、知的障害を伴わない自閉症を高機能自閉症とかアスペルガー症候群と分類していたこともあります。ですが今はこだわりの強さや対人関係の難しさといった共通の特性の中で、虹のように様々な色が含まれる連続体して捉えようという考え方に変わって、自閉スペクトラム症となりました。
私とダウン症、自閉症の人との出会いは、杉並区の学童クラブでした。子どもが中学校に入って何かしたいと思って始めた学童クラブのパートでの障害児対応で、ダウンの女の子と自閉の男の子につくことになりました。当時、杉並区では原則として小学校1つに児童館が1つあって、学童クラブは児童館に設置され、障害児も受け入れていました。一般の子どもと一緒に過ごすので、障害のあるお子さんが事故やトラブルにあったりするのをできるだけ回避するのが仕事。ダウンちゃんは明るく元気で甘えん坊の女の子。自閉くんは知的障害があり自傷のある男の子。うるさいのが苦手で調子が悪いと自分の頭をたたき続けます。最初はびっくりして、どうすればいいんだかわからなくて。でも学童の先生の対応を見ているうちにだんだん対応の仕方がわかってきて、彼の信頼を得られるようになって。数人のパートでローテーションを組んで対応していたのですが、みんなそれぞれに得意不得意があり、相性があり、私は何故か自閉の子と相性が良かったようです。その次の年に学童に入ってきた自閉のかわいい男の子は、また全然違って、唐揚げしか食べなくて、ジブリのアニメが好きで、繰り返し見て「千と千尋の神隠し」のセリフすべて暗記していて、「ハクがしんじゃう」っていつも言ってました。思い出したら懐かしい。たくさんいろんなことがあって、大変だったけど、楽しかったなぁ。その頃、障害について何も知らなかった私は、彼らからたくさんのことを学ばせてもらいました。数年後に私は障害児の放課後クラブで仕事するようになり、もっと障害についても学びたいと思うようになり、東北福祉大学の福祉心理学科の通信過程で2度目の大学生をやることになりました。オンライン講座受けて、レポート書いて、時々スクーリング行って、こっちも相当大変だったけど面白い日々でした。
「すずちゃんののうみそ」という本があります。自閉症のお子さんを持つお母さんが、保育園の子どもたちの疑問に答えるために書いた本です。
「自閉症のことがすーっとわかってちょっと身近に感じる本」です。
例えば最初のページ、すずちゃんが食事している絵に添えられているのは、「すずちゃんは、ねんちょうのゆりぐみさんになってもおしゃべりができません。スプーンもうまくつかえません。きゅうにないたりわらったり、かみついたりすることもあります。」という文章。次のページには、「うごきもへんてこりん。どうしてかな。それは、うまれたときから、“のうみそ”がちょとだけみんなとちがうからなんだって。」とあります。こんな調子で、自閉症の特徴や原因が、小さな子供でもわかりやすく綴られていきます。
さらに巻末の付録として、ページに対応しながら「自閉症の主な特徴」があげられ解説されています。先ほど挙げたページに対しては、自閉症は発語が遅い、またはないことで気付かれることが多いこと、運動や動作が同年齢の子に比べて不器用なこと、記憶や情報処理の仕組みが違うため、情報過多になりやすく、フラッシュバックを起こして泣いたり笑ったり、癇癪を起したりすることが書かれています。これは素晴らしくて、子供もお母さんもこの本で自閉症のことを理解していけます。
ぜひ、読んでみてください。
「すずちゃんののうみそ」文・竹山美奈子 絵・三木葉苗 岩崎書店
もう一つ、ダウン症に関する本でご紹介したい本。
「アイちゃんのいる教室」、小学校1年生になったダウン症のアイちゃんとそのクラスの様子を追った写真絵本です。シリーズ化されて、アイちゃんのいる教室3年1組と
6年1組があり、全3冊。
今回、ダウン症についても「すずちゃんののうみそ」みたいな本を紹介しようと思ったのだけれど、そういえばアイちゃんてダウン症だった、と引っ張り出して読んだこの本に、改めて感動してしました。
アイちゃんは2003年生まれ、ダウン症。仙台の小学校の通常学級に入学します。体が小さくて背の順では一番前、くちぐせは「明日も頑張っていいですか。」
アイちゃん、何をするのもゆっくりだけど、先生もクラスのみんなも、できることはなるべく手伝わない、せかしたりせず、待ちます。すてきな先生、ステキなクラスです。
ダウン症の理解につながるとかはどうでもいい。障害があるとかないとかそういうことを超えて、人と人がぶつかりあい、わかりあってつながっていく、教育の原点がここにあります。
3年生になると、子供たちはアイちゃんには優しいけどアイちゃん以外の子は喧嘩ばっかり、先生は仲間って何だろうとみんなに問題提起。学芸会の劇の制作を通じてみんなで考え続けました。そして6年生。アイちゃんは頑張ることが難しくなっていき、できないんじゃなくてやらないじゃないかという場面が出てきたリ。それでもアイちゃんのクラスは、アイちゃんを含めてみんな考え続けます。先生は「何にでも答えがあると思わないで。考えて。」と伝え続けます。6年1組がたどり着いた結論は、にじ色クラス。『みんな輝け!にじ色に』。
「アイちゃんのいる教室」文・写真 高倉正樹 偕成社
3月21日は過ぎてしまったけど、画像を検索するとたくさんのブルー&イエローライトアップが出てきます。そして4月2日には、世界各地、172か国のライトイットアップブルーがニュースを彩ることでしょう。有名な大きな建物だけでなく、小規模なライトアップもたくさんあるみたいです。お住いの町でも穏やかなブルーのライトアップが見られるかもしれませんね。 (2026年3月29日 水野佳)







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