2023年12月28日木曜日

12月のあれこれ

12月、いくつか新しい体験をしました。そのことを書いて今年のブログの締めにしたいと思います。

まずはポエトリーリーディングのイベント。
「千葉詩亭」のこと。この写真は千葉の詩人のレジェントと呼ぶべきお二人です。

千葉詩亭の主催者、大島健夫さん。詩人かつネイチャーガイド。2016年ポエトリースラム・ジャパンで優勝しW杯に進出など多数の詩祭の出場歴あり。千葉詩亭は声と言葉のオープンマイクイベントで14年続いていて、12月17日は14周年記念で82回目の開催でした。すごい!
実は4年半ほど前、炎の雫で「静かな焔」と題する詩の朗読のイベントをやったことがあります。その時の出演者に大島さんとこの日のゲストの岬多可子さんがいました。私は初めて詩の朗読イベントを目の当たりにして、とても感銘を受けたのを覚えています。大島さんの詩はおもしろく、でも心に残るものがあって、さすがだ!と思いました。

大島さんの朗読で始まったこの日のスペシャルゲストは岬多可子さん。岬さんは1990年にラ・メールの新人賞を受賞、詩人として活動され、一昨年、詩集「あかるい水になるように」で2021年の大岡信賞を受賞。
うちのカフェでのイベントの時、マイクなしで決して大きな声ではないのだけれど淡々と詩を読み上げていく姿にいつしか引き込まれ、一生懸命聞こうとしている自分に気づかされました。あぁ、本物の詩人だ、と思いました。私だけじゃなく、会場全体がそんな感じでした。
終了後、私が詩集を読んでみたいと言うと、後日送ってくださって、それ以来たまにメールのやり取りをしていました。今回は岬さんからのお誘いで行ってみることに。この日もコロナや日常のことなどのお話を交えながら、淡々と詩を読んでいく佇まいがとてもいい、やっぱりみんなが聞くことに集中して空気の密度が濃くなって、気持ち良い緊張感を味わうことができました。
さて、この企画はオープンマイクです。岬さんの後は、11人の参加者によるリーディング。音楽のオープンマイクは知ってるけど、詩のオープンマイクなんて初めて。どうなるんだろうって興味深々。持ち時間は1人5分。詩の朗読に限らず、他の人の迷惑にならないなら何でもOKとのこと。これがとってもおもしろかったのです。ほとんどの方は自作の詩の朗読、ある人は切々と、ある人は声を張って、ある人はふわっと、説明したい人、訴えたい人、わかってほしい人…人それぞれ、バラエティ豊か。詩の大会で優勝した方などの実力者もいて、見ごたえありました。歌のオープンマイクだと途中で嫌になっちゃって、出てきたりしちゃうけど、全然飽きずに見られました。大島さんの順番選定がいいのかな。
それぞれがこの日のために詩を作って、この5分間に何かを伝えようとし、何かを得ようとしているんだ、そんなこと考えたこともなかったので、とても新鮮でした。
実は私も参加させてもらいました。いつも夫・水野たかしのステージでやっている歌「メメントモリ」、これ詩は私なのでいつも通りに手話をつけて朗読。朗読というか語りだけどね。久しぶりに自分の声で言葉を発しました。5分もなかったと思うけれど、オンステージの緊張感を味わえてとても幸せ。思いの他好評で、何人もの方に声をかけていただいて、それも幸せ。いい体験をさせてもらいました。(オープンマイクの参加者の写真はNGなので私の写真載せときました。夫が撮ったものです。)

手話は聴こえない人と話すためのものですが、それだけではありません。私は東京にいる時、知的障害のある子供の放課後活動の仕事をしていました。そこでは歌に手話をつけて歌っていました。手話をつけることで、自閉症など言葉を発さない、声を出さない子が、みんなと一緒に歌うことができるのです。なるほどと思いました。それ以来、私はいろんな歌に勝手に手話をつけて、その子たちと楽しんできました。(手話は一応ちゃんと学んでいます。)千葉に越してきてそういう機会がなくなった頃、「カンタ!ティモール」という映画の上映会で、映画のテーマソングをみんなで歌う時、それに手話をつけるようになりました。すると歌を知らない人も手話をまねしてくれます。それ以来、夫が歌う時、一部手話をつけて一緒にステージに乗るようになりました。手話を知らない人に何?あれ、と思って手話を見てもらえればいいと思って。

話が逸れました。12月17日の千葉詩亭は、11人のオープンマイクの後、大島健夫さんが1篇の詩を朗読してびしっと〆て終了となりました。前に見た時よりおかしみは減ってその分重みが増したように感じました。とても新鮮で刺激的な夜でした。

実はこの日、千葉詩亭に行く前に立ち寄ったところがあります。
千葉市美術館の荒井良二展
「new born~いつもしらないところへ たびするきぶんだった」
荒井良二は絵本作家。「あさになったので まどをあけますよ」
「きょうはそらにまるいつき」「バスにのって」など絵本で知られています。
これはパーテーションみたいに立ってて人の背丈ほどある大きな絵本。内側にはちゃんとお話が書いてあります。


2フロアーをフルに使っての展示。作品数は多数。すごい量です。
絵本の原画はもとより、各地の美術イベントでのライブペインティングやワークショップでの作品、立体作品や、スケッチとか鉛筆で勢いに任せて描いたみたいなのもある。
とにかく描かずにはいられない人なんだろうな。
本当にエネルギッシュな展覧会です。


展覧会の最後のコーナーには、車の付いた付いたおもちゃみたいなものがたくさん置いてある。「new  born 旅する名前のない家たちをぼくたちは古いバケツを持って追いかけ湧く水を汲みだす」という名前の付いたインスタレーションらしい。家みたいなの、船みたいなの、馬車みたいなの、中にはどう見てもピアノなのも。なんか圧巻、この展覧会見たら自由になった気がします。
せっかく千葉に行くんだから何かないかな、とその日の朝見つけて、ちょうど展覧会の最終日だったので行こうとなったのですが、行ってよかった展覧会でした。

時間は遡りますが、12月の初めには久々のイベント出店をしました。屋外ではなく屋内でのカフェ出店、これも初めての体験でした。場所は大原にあるレンタルスペース・ナルセのパントリー部分。お友達でカフェの常連でもあるイラストレーターmonさん企画の「小さな小さなクリスマス」に誘っていただきました。物品の委託販売ですが、日曜日にスペシャルデーとして出店者が何組か、その中の一つとしてのカフェ出店でした。
流しと冷蔵庫と電子レンジと湯沸かしポットがあって、これだと全然楽!!
屋外だと電源引っ張るところから始めて、机も椅子もお水も持ってかなきゃならないからものすごく大変でめったにできない。屋内出店もいい経験でした。

最後はコーヒー屋らしく。コーヒーとカフェラテとカフェオレの写真を。
カフェラテとカフェオレの違い、カフェラテはコーヒーの上に泡立てたミルクを乗せる。カフェオレはミルクとコーヒーを混ぜる。うちではラテアートはしないけど、カフェラテは時々楽しんでいます。カフェでもリクエストがあれば作りますよ。
新しいと言えば、タイマー付きのスケール(量り)買いました。便利ですよ、特に46メ
ソッドでコーヒー淹れる時に。

大掃除に追われていますが、一段落したら荒井良二の絵本を眺め、岬多可子さんの詩集をじっくり読んで、ゆっくり過ごしたいと思います。

今年も一年間ありがとうございました。
皆様よいお年をお迎えください。
炎の雫、コーヒー豆の郵送は1月5日から、カフェは1月7日からの予定です。
(2023年12月28日 水野佳)












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