2025年10月29日水曜日

秋の月・秋の味

10月6日は中秋の名月でした。

中秋の名月とは、旧暦の8月15日の月のこと。この日の満月が一番美しいと言われ、古くから月を愛でる日として親しまれてきました。旧暦と今の暦との違いから、中秋の名月は必ずしも満月ではないそうで、実際の満月は今年は10月7日、少し遅めでした。中秋の名月、2022年は9月10日だったので、結構ずれますね。中秋の名月と満月が一致するのは、次は2030年の9月12日だそうです。(前回一致したのは、2023年の9月29日、この絵はその時撮った写真をもとに描いたものです。)

 旧暦とは月の満ち欠けを基準にした暦、1年が354日となり、約3年に1度“うるう月”を設けて調整されます。


今年2025年10月6日の中秋の名月がこれです。天気が悪くて雲だらけ、すぐに隠れてしまうけど雲の流れも速くてまた顔を出す、その時に取った写真。まさに「月に叢雲」、これはこれで風情があります。月に叢雲の続き、知ってますか。「月に叢雲、花に風」美しいものにはとにかく邪魔が入る、世の中は思うようにはいかないという意味ですが、雲のかかった月も風にひらひら散る花も、どちらも情緒があっていい景色とも思えます。


今回の10月の満月はスーパームーンでもあると言われていました。スーパームーンって最近よく聞くようになっけど何?って思って調べてみました。

スーパームーンにははっきりした科学的定義はありません。日本の国立天文台では「地球に一番近い満月」と言っています。その年の満月のどれか一つが、その年の地球に一番近い満月になります。アメリカでは、月の近地点距離を基準としてある距離内にある満月。この場合は1年間に複数の満月がスーパームーンとなります。2025年は、10月、11月、12月の3回の満月すべてがスーパームーンだと言っているネット記事も多く見かけました。これアメリカ基準です。日本基準でいうところの今年の「地球に一番近い満月」、アメリカの基準による今年最大のスーパームーンは、実は11月5日です。満月となるのが22時19分、近地点を通過するのが翌6日の7時22分だそうです。観測したいなぁ、晴れることを願いましょう。

地球の周りを回っている月の軌道は楕円形です。月が地球に最も近づく近地点では地球との距離は35万 6000 km、もっとも遠い遠地点は40万6000km、この5万kmの差によって、月が大きく見えたり、明るく見えたりします。最大で14%大きく、30%明るく見えるそうです。上の資料は今年最大の11月5日の満月と今年最少の4月13日の満月を比べたもの。(国立天文台の提供)
因みに、一番小さい満月は、スーパームーンに対してマイクロムーンと呼ばれています。
満月それぞれに呼び名があって、10月はハーベストムーン(またはハンターズムーン)、11月はビーバームーン、12月はコールドムーン。基本はアメリカ先住民が季節を把握するためにつけた名に由来しています。日本では、月の満ち欠けに名前は付けるけれど、満月そのものに名前は付けていませんね。満月という言葉は英語のフルムーンからきたもの、本来は望月だったようです。

月にまつわる神話は世界各地にあります。
これはインドの神話をモチーフにゴンドアーティストが描いたタラブックスの「太陽と月」という絵本の1ページ。太陽と月は同じ母親から生まれた兄と妹だと書かれています。夫婦だと書かれているページもあります。どのページにも美しく繊細に描かれた太陽と月。見ているだけで癒やされます。
「夜の木」で有名なタラブックスですが、素敵な手作りの本は他にもたくさんあります。

日本の神話では、月の神はツクヨミ(月読命‐つくよみのみこと)。夜の国を治める神です。黄泉の国から帰ったイザナギが、穢れから身を清めるために禊払いをし、左の眼を洗った時生まれたのがアマテラス、右の眼を洗った時生まれたのがツクヨミ、鼻を洗ったとき生まれたのがスサノオ。アマテラスには高天原、スサノオには海原、ツクヨミには夜の国を治めるように命じました。ツクヨミについての物語は少なく、スサノオとツクヨミは同一神なのではないかという説もあります。ツクヨミが保食神(うけもちのかみ)を殺めてしまったことで、アマテラスはツクヨミの顔も見たくないと怒り、それをきっかけに二人は一日一夜を隔てて住むようになり、交代で天に現れるようになったということです。

一般に、太陽と月は対になっていて、片方が男神ならもう一方が女神とされることが多いようです。日本では太陽神アマテラスが女神で月神ツクヨミが男神。ギリシャ神話では太陽神は男性でヘリオス、月の女神はセレーネ―、または太陽神アポロンと月の女神アルテミス、この2人は双子の兄妹とされています。ローマ神話では太陽神ソル、月の女神がルナ。
世界中に様々な神話があり、そこには共通点もあって、とても面白いです。

月の話はこれくらいにして。ここからは秋の味。







まずはお米、新米です。
近所の人からいただいた新米、なんと玄米でした。今までいただていたものは精米されたお米だったのでびっくり。実は私、玄米を自分で炊いたことがありませんでした。この際だからやってみようと、ネットで検索して、初心者だから白米と混ぜるのがいいかなと思って、最初は玄米1:白米3で混ぜて、水は大目に、浸水時間は長めにして炊いてみました。うちの炊飯器には玄米の目盛りもあったので、混ぜたお米だけど、これでいいか、とやってみたら、ちょっと柔らかめだけどおいしい!玄米だからしっかり嚙まなくちゃと言いながらご飯食べて、なんだか新鮮。癖になりそうです。




秋と言えばお芋です。サツマイモがたくさん出回ってきました。
サツマイモは中南米原産。日本には江戸時代、琉球を経て鹿児島=薩摩の国に伝わったのでサツマイモ。鹿児島では、中国から伝わったから唐芋と呼ばれているとか。
今の日本には60種類以上のサツマイモがあって、トップ3は、紅はるか、安納芋、シルクスイート。サツマイモの生産量ナンバー1はコガネセンガン。言わずと知れた芋焼酎の原料です。

千葉県は鹿児島、茨木に次いでサツマイモ生産地の第3位です。千葉で作られているサツマイモは紅あずま、紅はるかが主。この写真は産直で買った紅はるかです。まずは煮て食べて。それからお菓子、スイートポテトケーキに。サツマイモのポテサラもいいですね。ネットで見たさつまいもごはん、炊飯器に洗ったサツマイモ2本ドーンと入れて炊き、炊き上がったらバターを入れて崩しながら混ぜるというやつ、今度やってみようと思っています。



こっちはサトイモ。
写真で見るとよくわからないけど、直径20センチ以上の大きなサトイモです。

見た目はほんとに里芋、っていうか味もちゃんとサトイモです。産直で90円でした。こちらは、鶏肉と煮ました。煮物はおいしいね。筑前煮とかもいいし、豚肉と煮ても、イカと煮ても、厚揚げと煮てもいい。
他には、サトイモのグラタンもおいしいです。ホワイトソースめんどくさいときは、レンジでチンして潰してチーズ掛けて焼くだけでOK 。サトイモコロッケもおいしいけど…しばらくコロッケって作ってないなぁ。

サトイモは東南アジア原産のタロイモの一種。こちらは日本での歴史は長く、イネより早く縄文時代には日本に伝播したとされています。平安時代にはすでに家芋(イエツイモ)と呼ばれて栽培されていたようです。暑さに強く、35℃くらいまでは大丈夫、でも霜に当たると枯れてしまうので、晩夏から秋に収穫される。お正月のおせちに入れるから、冬のものかと思ったけれど、今頃までのものなのですね。土に埋めておくとある程度もつみたいですが。





秋の果物、柿。うちには柿の木が2本あります。でも、渋柿でそのままでは食べられません。数年前までは干してました。私はいわゆる干し柿が苦手なので、切って干すスライス干し柿。ドライフルーツにしてそのまま食べたり、パウンドケーキに入れたり。ところが、最近は暑すぎて干しあがる前にカビがはえたり、腐っちゃったり。こんなところにも温暖化の影響かなんて思いつつ、柿採るのはやめてました。どうせ渋柿だし、ま、いいかと。
今年、ご近所さんから甘柿いただいたので、天日に干すのではなく、オーブンで焼いてみました。一番低い温度でじっくり時間をかけて、2~3時間焼いたかな、そしたらおいしいドライフルーツに。それからもう1種類、甘柿と言っても小さくて種も多く、そのままでは食べにくい。それで柿のコンポートにしたら、とてもおいしく食べられました。剥くのがちょっとめんどくさかったけどね。

そういえば、柿のお料理ってあまり知らないです。柿なますというのがあるけど、作ったことない。昔、夫が大道具の仕事をしてた頃、ちょっと変わった同僚がいて、(男性ですよ)お弁当に自分で柿なますを作って入れてくるという話を聞いて、へーぇと思ったことがあります。
要は普通のなますに柿を入れるということみたいですが、あんまりやろうとは思わないかな。

秋のおいしいもの、まだまだたくさんありますね。
なにかにつけて、その辺にあるものを無駄にしないで食べるには、手間をかけるしかありません。だんだん怠け者になって、なかなかやらないから、自戒しなくちゃと思います。

秋の味も、それから秋の空も、満喫しましょう。11月5日、今年最大のスーパームーン、ぜひ見てください。(2025年10月29日 佳)

炎の雫・外房10年記念ライブ

炎の雫が外房に移転して、この秋で10年を超えました。 (私たちがいすみに移住したのが2015年6月、炎の雫の再開店が10月でした。) これを記念して、11月16日の午後、「炎の雫・外房10年記念ライブ~気がつけば 時は過ぎゆき~」を開催しました。 最近のライブでやっている歌と手話...