この夏は本当に暑かったですね。
数年前までは、窓を全開にしていれば風が吹きぬけて何とか過ごすことができたのですが、今やそれも難しくなり、暑い日はクーラーのある部屋に閉じこもることが多くなりました。カフェ部分にはクーラーがなく、室内温度が35℃に達した7月のある日、夏休みにしよう!となり、結局ほぼ2か月間の夏休みになりました。ここに来た当初は、東京に比べてなんて涼しいんだと思っていたし、昔は近所の方は「ここは風が涼しいわね」と言ってくれていたのに。年々暑くなるようです。
さて、これは外房・勝浦の海です。いすみのお隣、勝浦が関東で一番涼しいとか言われているのをご存じでしょうか。あちこちで取り上げられているので耳にしたことがある方多いと思います。それってなんでなんだろうと思って調べてみました。
千葉県勝浦市はここ100年間も猛暑日(最高気温35℃以上)がありません。今年の夏も、8月の中旬に33.3℃が最高。最低気温が27度を上回ったのは数日。因みに鴨川市では8月の最高気温37.3℃でした。同じ外房の海沿いなのになぜでしょう。
その答えは地形にありました。勝浦は、陸から数キロで海の深さが100m、10キロでは200mあり、陽射しが届きにくい。海上では強い南風が吹き、海面近くの水はどんどん押し流され、そこに海底から冷たい水が上がってきて、その冷たい水で冷やされた風が陸地に向かって吹くため気温が下がる、ということだそうです。また、平地が少なく森林が多いこと、ヒートアイランド現象が少ないこともあります。
海水の温度が年間平均で表面温度16℃として、水深100mでは7℃、300mでは0~1℃と言われています。そりゃ涼しいわけですね。
海から見た温暖化の話。
もともと世界の海面の平均温度は19.7~21℃で推移していましたが、2023年に21℃を上回りました。海面水温は上昇し続けています。過去100年の世界全体の上昇率は0.61℃、日本近海ではなんとその倍1.28℃と2倍以上。最近の日本沿岸の海面温度は30℃を超えていました。これは台風の動きにも影響しているようです。
今年、フロリダで38.4℃という海水温の世界最高記録が出ました。まるでお風呂です。
海は地球の表面の約7割を占め、大気の約1000倍の熱容量を持っています。温暖化で蓄えられた熱量の大部分は海に貯めこまれていて、海洋貯熱量の増加となります。
海洋表層の温度が0.1℃上昇し、その分の熱量がすべて大気の温度変化に使われると、大気の温度は4.5℃上昇すると言われています。
海水温が上昇すると、氷が解けるだけではなく、水の体積が膨張し、海面水位が高くなります。海面の上昇は過去100年で19㎝、2100年には海面が最大90㎝上昇すると予測されていて、膨大な陸地が水没する恐れがあります。また水位の上昇で海岸が侵食されたり、高潮が誘発されたり、海岸や海中の生物の行動変化によって食物連鎖への影響も出てくると考えられています。
この絵のように、氷が解けたために離れ離れになってしまったペンギンさんが、実際にたくさんいるようです。
米化学アカデミーによると、もともと人間は年間平均気温11~16℃の場所に集中して暮らしています。6000年もの間その環境にあったのです。世界の平均気温は14℃ほどです。それなのに、今その環境は急激に変化しています。2100年には地球の温度は3℃上昇、陸上では7℃も上がって何十億人もの人が熱波に晒され、その場所に住めなくなって移動せざるを得なくなる。現在地球上で平均気温29℃以上の地域は、サハラ砂漠とかアフリカのごく一部の地域で地球の陸地の0.8%にすぎませんが、2070年までには約20%まで拡大します。南米、インド、東南アジア、アラビア半島、オーストラリアなどがそれに含まれます。
温暖化の基は温室効果ガスです。
超悪者になっていますが、本来は地球で人間が生活するのになくてはならないもの。地球の表面、大気や雲で特定の波長の放射線を吸収したり放出したりして温室効果を引き起こすガス。地球の平均気温を14℃に保つ働きをしています。これがなければ、地球の表面温度は−19℃になってしまい、到底人間は生きられません。
だけど、温室効果ガスが多くなりすぎて、太陽の熱を吸収しすぎて、それを地球の表面に閉じ込めることで大気の温度が上がり、その熱を海が吸収して海水温が上がる、というのが今起こっていること。海が貯め込んでいてくれるから、暑い、暑いと言いつつも、何とかなっているとも言えます。
温暖化ガスの主なものは、二酸化炭素(Co2)、メタン(CH4)、一酸化二ヨウ素(N20)、フロンなどで、そのうち二酸化炭素が75%。石炭、石油、天然ガスなど化石燃料の燃焼が原因で増えてしまったもの。二酸化炭素は植物によって消費されるので、森林伐採など緑を減らしてしまったことも問題、その程度の知識です。
実は、なんで天然ガスが化石燃料なんだろうと思っていたくらいです。化石燃料って、太古の生物の死骸が長い年月をかけて分解され、エネルギー資源として利用できるようになったもので、液体のものを石油、個体のものを石炭、気体のものを天然ガスと呼ぶのだそうです。みんな知ってるのでしょうね、私は知らなくて…すみません。
温暖化問題、どうしたらいいのかについては、全然わかりません。
温暖化のことは、コーヒー2050年問題の時に取り上げましたが、今回は視点を海にして考えてみました。(この絵はその時に描いたやつ、再登場です。)
これ以上、温暖化が進んでいかないように、世界の英知を結集し、世界中が手を取り合って、対策を、と切に願います。
できることを、考えて考えて、少しでも実行していかなければと思います。(2024年9月27日 水野佳)
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